2022年05月27日( 金 )
by データ・マックス

経営者が知っておくべき「危機管理」

 新型コロナウィルスの感染拡大も続き、集中豪雨なども頻発している昨今ですが、それでもビジネスは止めることはできません。そこで今回は、「危機管理」について解きほぐしていきたいと思います。

 そもそも危機とは何でしょうか。一言でいえば、自分たちにとって最悪の状態です。一般的にビジネスにおいては経営者の死亡です。少し観点を広げれば、ビジネスのカギを握る経営資源の喪失であり、事業継続ができない状態のことです。危機を起こす事象はさまざまあり、地震や台風、テロ、犯罪、交通事故、疾患、政治や経済の影響などもあります。これらをすべて想定することは困難ですが、行き着く最悪の状態は、実は同じだったりします。

 では、危機管理とは何でしょうか。それは危機=最悪の状態への対応であり、5つのステップが必要になります。

(1)予防・回避:最悪の事態を想定して備える(備蓄・訓練、保険など)。
(2)被害拡大阻止:実際に危機につながる事態が起きたときに、被害を最小化する。
(3)復旧・回復:被害に対して応急処置を行い、最低限の機能をそろえて活動可能にする。
(4)復興・強靭化:被害に対して本格対応を行い、本来あるべき状態にする。
(5)検証・改善:一連の対応の妥当性を確認し、教訓・改善点をまとめて①につなげる。

   そして実際に危機管理を行う際には、さらに3つの段階で積み上げることが必要になります。

第1段階「自助」:自らのことを自力で対応し、自身が動ける状態にする。
第2段階「共助」:周囲を助けることにより、自身を助けてくれる環境をつくる。
第3段階「公助」:公的機関と連携して、広範囲での対応を行う。

   さらにこれら危機管理を行うためにはデジタルの発想がとても重要であり、その特徴である3要素を確保し続けることで実効性が高まります。

・「透明性」:客観的な事実に基づいて正確に実態を把握できる状態。
・「俊敏性」:状況に合わせて自由度高く柔軟に素早く適応できる状態。
・「全体性」:分断することなく全体の影響関係を踏まえた一体として対応できる状態。

   危機管理をビジネス戦略に組み込むことは、先行き不透明な現代社会では必然です。いわゆるBCP(事業継続計画)です。そして、実践可能な状態であることが重要です。そのためにはシビアに現実を捉え、何を優先すべきかを理解し、冷静に判断できるリーダーシップが不可欠です。

 ちなみに、概して危機に対応できるリーダーシップはリスクが取れるため、成長戦略においても必要とされます。結局のところ成長戦略と同様に、危機管理においても「人財」が要になってくるのです。


<プロフィール>
渋谷 健
(しぶや・たけし)/フィールド・フロー(株) 代表取締役
外資系コンサルティングファーム、国内ベンチャー、国内大手企業経営戦略室を経て2014年にフィールド・フロー(株)を設立。「事業に脚本を」をコンセプトに、戦略立案からシステム開発や人財育成までを総合的に提供するオープン・イノベーション実践活動を全国展開。経済産業省・農林水産省などの政策事業、北九州市・宮崎県などの地方創生事業、大企業・金融・ベンチャーなどの民間事業に、プロの事業プロデューサー/ファシリテーターとして関わる。

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