2024年04月20日( 土 )

ふくおか畜販、直売所をオープン 地域の分かち合いの架け橋に

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ふくおか畜販 社屋外観
社屋外観

 牛肉や内臓などの卸売を手がける(株)ふくおか畜販(福岡市東区)はこのほど、本社隣接地に一般消費者向けの直売所を開設した。売上アップよりも、コロナ禍で学んだ地域の「分かち合い」を深めることを目的としている。

横山 弘之 代表
横山 弘之 代表

 同社は1985年に横山俊弘氏が設立。順調に業容を拡大した後、7年前に現代表・弘之氏が継承する。ただ、当初は事業に没頭するあまり、求める一方の発想に陥っていたという。そうしたなかで所属していた福岡青年会議所の活動を通して気づきを得る。横山氏には、幸せになるための3つの信条「愛すること」「感謝すること」「許すこと」があるが、この時、「自分が何かを与えることも幸せ」だと知る。

ふくおか畜販 直売所
ふくおか畜販 直売所

 5年前から、業界や地域と喜びや苦労を分かち合う取り組みを始めた。手始めとなったのが「九州食肉輸出入事業(協)」の結成だ。経済発展が見込まれたミャンマーで大規模な商談会を開催し、取引ルートを開拓した。現在は中断を余儀なくされているが、再開の機会をうかがっている。また、3年前には仲間とともに宮崎県に牧場を開き、牛の飼養に進出し活動領域を広げた。

 ところが、昨年コロナ禍が発生。取引先の飲食店が大打撃を被った。横山氏はもつ鍋店8~9件を取りまとめて新宮町に働きかけ、ふるさと納税返礼品に採用してもらった。

 同社でも大量の在庫を抱えることとなったが、これを活用して地域住民に限定して直販を開始した。卸売業の同社はそれまであまり地元と縁がなかったが、この時、地域と支え合っていることを再認識することとなった。感謝の思いを地域に伝えるべく、コロナ禍で生活や収入が激変し困窮した人々に期間限定で肉の無料配布も行った。

 そして今回、地域の支え合いをさらに深め、同社が地域の架け橋となるべく直売所を開設。本業の卸売はもつ鍋用の内臓を得意とするが、直売所ではステーキ、焼き肉、しゃぶしゃぶ用など家庭料理に活用できる良質な肉が手ごろな価格で販売されている。

直売所に並ぶさまざまな食肉
直売所に並ぶさまざまな食肉

【鹿島 譲二】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:横山 弘之
所在地:福岡県福岡市東区松田3-14-1
設 立:1985年3月
資本金:300万円
業 種:食肉・内臓販売
URL:http://fukuoka-chikuhan.jp/

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