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2021年10月05日 15:00

止まらないウォン安で忍び寄る韓国経済危機(前)

日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

ウォン安が進んでいる

 10月1日、ソウル為替市場におけるウォンのドルに対する為替レートは、前日より4.7ウォン上昇し、1,184.0ウォンとなった。ウォンの対ドル為替レートの危険水域は1,120ウォンとされているが、為替レートは1年ぶりに1,180ウォンと危険水域を上回り、史上最高値を更新した。これで為替レートは、さらに危険水域に近づき、韓国政府は警戒モードに入っている。

 為替レートが1,180ウォンを超えたのは、昨年9月14日以来初めてのことだ。急激に為替レートが上昇すると、韓国経済に危機を招きかねない。韓国はいまだに資金需要が旺盛で、外国から借金をして事業に投資して経済発展を成し遂げているため、為替レートが上昇すると、借金の負担が重くなり、最悪の場合、デフォルトを引き起こす可能性もある。また、ウォン安が進むと、韓国株に対する投資の魅力も薄れる。そうなると韓国株式市場から資金が流出することになり、さらなるウォン安を招きかねない。

 金融監督院の発表によると実際、今年8月に外国人投資家は韓国株7兆8,160億ウォン分を売り払った。外国人投資家は今年5月から8月にかけて4カ月間連続して韓国株を売り越している。今年1月から8月まで外国人投資家が売り越した金額の合計は30兆9,950億ウォン。昨年も外国人投資家は韓国株24兆3,790億ウォン分を売り越している。

 韓国株のなかでは時価総額1位のサムスン電子と2位のSKハイニックスをそれぞれ、6兆5,000億ウォン、1兆5,000億ウォン分売っている。その他、NCソフト、現代自動車、SKテレコムなど韓国を代表する企業に売りが集中した。ドル高が進んでいるなか、ウォン安が進行しており、経済関係者の一部では、急激なウォン安がアジア通貨危機のような経済危機の到来を引き起こすのではないかと懸念する声もある。

 株式市場ではウォン安が進むと、韓国株へのメリットが縮小し、韓国株は売られるようになる。そうすると、また為替市場でウォン安をもたらし、再び株安を引き起こす悪循環へとつながりかねない。外国人投資家の株売り越しと貿易黒字額の減少が現在のウォン安の直接的な要因となっている。逆に、米国市場は強いドルを求めて資金が新興国から戻ってくるため、米株式市場は活況を呈している。

(つづく)

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