2021年12月03日( 金 )
by データ・マックス

アートのある暮らしを体感 山田ゆかり展~Artistic Life~


   現代アート作家・山田ゆかり氏の個展「山田ゆかり展~Artistic Life~」が11月30日まで、ガンディハウス横浜(横浜市)で開催されている。コロナ禍で「お家時間」が注目されるなか、やわらかい雰囲気を感じさせるガンディハウスの木製家具とともに、山田氏独自の感性で制作した、日常の何気ないひと時の「ときめき」から生まれた数多くの新作アートが展示されている。足を運ぶと、アートのある暮らしを体感できる絵画展だ。

山田ゆかり展~Artistic Life~
山田ゆかり展~Artistic Life~
山田ゆかり氏
山田ゆかり氏

 今回の絵画展では、新たな取り組みとして、絵の横に表示されているQRコードをスマホで読み込むと、人々に伝えたい思いを乗せた山田氏の詩とともに絵を楽しむことができる(詩とともに作品を紹介したArt Stickerのページはこちら

 新作の「Beyond the Mirage」シリーズは、東京タワーやスカイツリー、横浜の観覧車などが見える都市の風景と、自然が溢れる海辺をテーマに写真と絵画を組み合わせた作品だ。身近な風景でありながら、よく見ると絵による工夫が施されており、どことなく切なさを感じる世界にいざなわれる。

 山田氏は「自然のなかにいると都会が恋しくなり、都会にいると自然が恋しくなるという誰もが抱えている矛盾した気持ちを描いた作品です。そんななかでも、何気なく過ごせることの幸せを感じて、豊かな人生を送ってほしいと感じています」と話す。

「Beyond the Mirage」
「Beyond the Mirage」

 「Universe」は、ライトをあてると月の明かりが絵のなかにぼんやりと浮かび上がる、夜見ても楽しめる宇宙旅行をテーマにした作品だ。寝室に飾って、冒険を夢見るわくわくした気持ちを胸に休んでほしいという思いが込められている。山田氏は「大人になると仕事などで忙しくなってしまいますが、子どものころの気持ちを忘れないでほしいと感じています。絵を見て子どものころの夢を思い出すことで、日常を元気に過ごせるきっかけになればうれしいです」と語る。

「Universe」
「Universe」

 「Dorothy from Oz」は『オズの魔法使い』の童話の世界を抽象画で表現している。物語のなかで、主人公の女の子、ドロシーが竜巻に飲み込まれて異世界に連れていかれる場面で、未知の新しい世界への希望と知らない場所に行くことの不安を描いている。

 「言葉遊び」は、しりとりをイメージしたアート。人はお互いに言葉を交わして仲良くなり、言葉は人の関係を深めるうえでも大切なものだ。絵を見ていると、言葉の面白さがカラフルな色使いから伝わってくる。

左(サイドテーブル上):「言葉遊び」、右(棚の上の壁):「Dorothy from Oz」
左(サイドテーブル上):「言葉遊び」、右(棚の上の壁):「Dorothy from Oz」

 「穏やかな日#3」は、東京の目黒川の桜並木を舞台にして写真と絵画を組み合わせた作品。岐阜県の奥飛騨酒造(株)とのコラボレーションにより、「穏やかな日#3」の作品をラベルにした大吟醸の「初緑(はつみどり)」が女性向けの日本酒として、吟醸祭オンラインストアで11月に発売される予定だという。

 「First half of the year」などの一連の作品は、春夏秋冬の季節の移り変わりを色使いでイメージした絵画だ。「絵を見た人が元気になれるように」という思いを込めて、華やかな色合いで描かれている。目に飛び込んでくる鮮やかな幾何学模様は、空気をかたちづくっている目に見えない小さな元素を表現したもの。空気は、さまざまな元素が組み合わさってできていることを表している。

「First half of the year」などの一連の作品
「First half of the year」などの一連の作品

 絵画と写真のコラボレーションや詩を通じて、何気ない瞬間の気持ちが伝わってくる山田氏の作品。個展では、童話など親しみの湧くモチーフから、東京五輪などの時事テーマまで、感性を生かした新作を発表している。新境地を開く、枠にとらわれないアートの試みにこれからも期待したい。

【石井 ゆかり】

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CondeHouse Yokohama Gallery「山田ゆかり展~Artistic Life~」開催
山田ゆかり展~Artistic Life~

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