2024年03月29日( 金 )

野党共闘候補の勝利を勝ち取る

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は主権者が目を醒まして、日本政治の刷新を実現するべきときがきていると訴えた10月22日付の記事を紹介する。

日本国憲法前文は次のように始まる。

日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、(中略)主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。

そもそも国政は国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。

これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。

日本の主権者は国民。

国民が正当に選挙された国会における代表者を通じて行動する。

国政は国民の厳粛な信託によるもの。

国政の権威は国民に由来し、国政の権力は国民の代表者がこれを行使し、国政の福利は国民がこれを享受する。

主権者である国民にとってもっとも大切な権利の行使機会が選挙である。

衆議院総選挙が10月31日に投票日を迎える。

すべての国民は主権者として選挙に参加し、国政の在り方を決定しなければならない。

衆議院総選挙後に召集される特別国会では召集とともに内閣が総辞職し、他のすべての案件に先だって内閣総理大臣が選出される。

選出された内閣総理大臣が国務大臣を指名して内閣が組織される。

行政権は内閣に属する。

私たちの生活に直結する行政を行う体制はこのようにして定められる。

この意味で衆議院総選挙の意味は何よりも重い。

選挙の前に政党は政権の構想を示す。

その構想を踏まえて主権者である国民が投票を行う。

この意味で衆議院総選挙は「政権選択の選挙」である。

主権者にとっての悩みは、選べる選択肢のなかから選ばねばならないこと。

提示されたメニューのなかからしか選べない。

しかも、最終的に実現する政権はただ1つ。

自分の選んだ政権の体制が実現するとは限らない。

内閣総理大臣の指名は国会のなかの選挙で行われる。

国会での投票で最多の得票を得た者が内閣総理大臣に就任する。

通常は国会の過半数議席を獲得した勢力の意向が内閣総理大臣指名選挙の結果に反映される。

従って、主権者が望ましい政権を誕生させるためには、支持する政治勢力が国会の過半数議席を獲得することが必要になる。

これを実現して初めて、自分が望む政権が樹立されることになる。

悩ましいのは、それぞれの個人が望む政権選択のメニューが示されるとは限らないこと。

「帯に短し、たすきに長し」の選択肢しか提示されないこともある。

しかし、だからと言って投票の権利を放棄してしまえば、主権者としての権利は意味を失う。

選ぶことのできる選択肢のなかから「最善」を選んで投票するしかない。

権利の行使は極めて大切なこと。

自公は自公政権の維持を目指して行動する。

問題は自公政治の刷新を求める主権者の行動。

本来は、野党第一党の立憲民主党が、基本政策を共有する政治勢力による大同団結を実現するためにリーダーシップを発揮すべきだ。

ところが、立憲民主党がこの役割を十分にはたしていない。

共産党を含む野党共闘確立が日本政治刷新の条件だが、この方向に動いていない。

立憲民主党の枝野幸男氏は「国民民主党と連合と共闘し」「共産党、社民党、れいわとは共闘しない」と発言している。

従って、共産党を含む政治刷新勢力による政権樹立を目指す主権者は立憲民主党を全面支援できない。

「政策連合」(オールジャパン平和と共生)は、基本政策を共有し、共産党を含む野党共闘の構築を訴えてきたが、残念ながら立憲民主党がこの要請に十分こたえていない。

このなかで共産党が一方的な譲歩を示して多くの選挙区で候補者一本化を実現した。

この功績は極めて大きい。

このことを踏まえて「政策連合」は今回の衆議院総選挙に対して、以下の対応方針を提唱する。

1.野党統一候補を擁立した選挙区ではその統一候補を支援する。

2.野党候補者を一本化できなかった選挙区では、共産党・社民党・れいわ新選組(候補者擁立順)、立憲民主党の順序でただ1人の候補者への投票集中を呼びかける。

3.維新および国民民主党候補者は支援しない。

4.一本化された候補者が国民民主党候補者である場合は自主投票とする。

この方針で対応することとする。

自民党に公明党がついているのだから、野党勢力に共産党が加わらなければ勝負にならない。

「共産党と共闘しない野党勢力のほうが怖い」というのは典型的な「まんじゅう怖い」。

「共産党と共闘しない野党勢力」なら自公が楽勝できるので大歓迎ということなのだ。

また、「共産党と共闘しない野党勢力」なら、極言すれば政権を委ねても構わないと日本支配勢力は考えている。

この考えが背後に存在する。

「共産党と共闘しない野党勢力」とはたとえば国民民主党であり、日本維新の会。

これらの勢力はいわゆる「第二自公」であって、自公とほとんど相違がない。

米国に隷従する。

日本政府は米国の支配下に置かれる。

米国の日本支配勢力は自公と第二自公による二大勢力体制を日本に構築したいと考えている。

この意味で「共産党と共闘しない野党共闘」を大歓迎している。

※続きは10月22日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「野党共闘候補の勝利を勝ち取る」で。


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