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2021年11月22日 10:51

半導体メモリに過度に依存する韓国(前)

日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

半導体メモリ市場の動向

半導体メモリ イメージ 半導体メモリは韓国の輸出額の20%ほどを占め、韓国にとって稼ぎ頭である。とくにDRAM市場は、1位のサムスン電子(43%)と2位のSKハイニックス(29%)の2社を合わせて世界の7割以上を占め、韓国は名実ともに半導体メモリ強国である。

 米国調査会社ICインサイツによると、半導体メモリ市場は毎年9%ほどの成長を続け、2022年に市場規模は1,804億ドルに達すると予測されている。ところが、半導体メモリ市場は通常3~4年を1サイクルとして、好況と不況を繰り返す傾向がある。

 メモリの需要増加で価格が上昇すると、メモリ製造会社は競って設備増強に走り供給過剰を招き、結果的に半導体メモリの価格は下がる。メーカーは生産量を調節できる機能が弱く、短期間に需要の変化に対応できず、どうしても価格は不安定にならざるを得ない。さらに、半導体メモリは大量に生産される汎用品がほとんどなので、他社製品と差別化を図ることも難しい。

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 そのような状況下で、韓国企業はこれまで不況時であっても、好況時に備えて果敢な投資を行ったことが功を奏し、日本企業を制して半導体メモリ市場の制覇に成功した。しかし、半導体メモリ企業は、特有の激しい市場変動に振り回されざるを得ない宿命も背負っている。

 半導体メモリの3大需要先はスマートフォン、サーバー、パソコン。しかし、3大需要先の当面の展望はそれほど明るくない。台湾の市場調査会社トレンドフォースによると、来年はノートパソコンの需要は今年より7%減少し、2億2,200万台になると予想されている。

コロナ禍の影響も

 需要の減少だけでなく、メモリ市場に影を落としそうな要因はほかにもいくつかある。まず、中国の電力不足は部品の供給に影響を与え、その結果、半導体メモリの需要減少につながると予想される。また、車載半導体やCPUなどの半導体不足の現象が起こっているが、パソコンの場合、メモリがあってもCPUがないと完成品にならないため、半導体不足、すなわち非メモリ半導体の供給不足は半導体メモリの需要の落ち込みにつながる。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、半導体の大きな需要先の1つであるスマートフォンの生産にも影響が出るなど、全世界のサプライチェーン崩壊に対する懸念も広がっている。サムスン電子は新型コロナウイルスの感染拡大の煽りを受け、ベトナムでのスマホ生産が滞り、久しぶりにヒットした「フォルダブルフォン」の供給に支障をきたすこととなった。

 新型コロナウイルスの感染拡大は、原材料の価格上昇、物流費の増加、コンテナ船不足など、物流にも甚大な影響を与えていて、物流問題が生産に悪い影響をおよぼすという複雑な状況となっている。

(つづく)

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