2022年01月25日( 火 )
by データ・マックス

日本経済の衰退で縮まった日韓の経済格差(前)

日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

GDPの日韓比較

GDP イメージ 各国の経済成長率や規模を測る指標としてよく使われるのが、GDP(国内総生産)である。GDPは「Gross Domestic Product」の略で、国内で一定期間に生産されたモノやサービスの付加価値の合計金額を指す。

 GDPの内訳を見ると、その大半を占める「消費」、国内企業が行う「投資」、政府が使ったお金である「政府支出」、輸出額から輸入額を差し引いた「貿易収入」に分かれる。これらを合計するとGDPが算出される。

 GDPには「名目GDP」と「実質GDP」の2種類がある。名目GDPとは、GDPをそのときの市場価格で評価したもの。一方、実質GDPとは、名目GDPから物価の変動の影響を差し引いたもの。

 1990年代に日本の名目GDPは韓国の約3.9倍だった。ところが、日本は「失われた30年」という言葉が象徴するように、その間景気が低迷したのに対し、韓国は成長を続けた。その結果、2020年に日本の名目GDPは4万146ドル、韓国は3万1,497ドルとなり、格差はかなり縮まった。

 ところが、購買力平価(PPP)で換算した国民1あたりの実質GDPでは、18年に韓国は4万1,409ドル、日本は4万1,001ドルとなり逆転した。この差は今後もっと広がると予想されている。

 購買力平価で換算したGDPとは、各国の物価水準の差を修正し、より実質的な比較をできるようにしたもの。たとえば、ある商品を日本で110円、米国で1ドルで買える場合、1ドル=110円であれば購入力平価は成立していると見なされる。

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 1990年には日本の購買力調整済みの1人あたりGDPは韓国の2.44倍だったが、毎年その差が縮まっており、18年についに韓国が日本を追い抜いたのである。

 このまま行くと生活水準でも日本は韓国の後塵を拝することになるが、そのような現象がいろいろなところで散見されるようになった。筆者が日本に留学した1980年代当時、日本は韓国とは比べものにならないほど豊かであったが、現在はその差は驚くほど縮まっている。

日本人の給料は減っている

 世界第3位の経済大国である日本に何が起きているのか。OECD(経済協力開発機構)によると、日本の給与水準は1997年を100とした場合、昨年は90.3となっている。日本人の給与は20数年前と比べて減っているのだ。

 一方、韓国の給与水準は20数年前と比べて158%、米国とイギリスの給与もそれぞれ122%、130%と伸びている。韓国人の給与はその間に58%増加したが、日本人の給与は逆に10%目減りしたわけだ。

 筆者の周りの日本人を見ても、余裕のある人が少なくなったと実感できる。たとえば、日本はマグロの世界一の消費国であった。マグロの25%は日本人によって消費されていた。ところが、最近は状況が変わり、高額のマグロは中国と東南アジアに向かうという。高価なマグロが日本人に競り落とされることが減っているのだ。

(つづく)

(後)

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