2022年06月29日( 水 )
by データ・マックス

時代を切り拓く先見の明と 飽くなき挑戦の裏にある決断力

芝浦グループホールディングス(株)
代表取締役会長 兼 CEO
新地 哲己 氏

変転する時代の要請に応じ 積極的に新規事業を展開

芝浦グループホールディングス(株) 代表取締役会長 兼 CEO 新地 哲己 氏
芝浦グループホールディングス(株)
代表取締役会長 兼 CEO
新地 哲己 氏

    11のグループ企業を統括し、建設事業、不動産事業、メガソーラー事業、ホテル事業、電力小売り事業、総合リース事業など、幅広く事業を展開する芝浦グループホールディングス(株)。現在代表取締役会長兼CEOを務める新地哲己氏が一代で築き上げた、九州の誇る大企業である。

 その歩みを貫くものは、つねに時代の先を見据えた同氏の嗅覚とチャレンジ精神だ。
 1977年、北九州市門司区にて、家電を主体とする電気機械器具販売業者「シンチデンキ」としてスタート。人々の文化的で快適なくらしを支える、いわば“まちの電気屋さん”として地域で愛されるも、量販店の台頭に直面し業態転換を決意する。そして、84年8月に芝浦特機(株)(現・芝浦建設(株))として法人化し、電気機器のエキスパートとして積み重ねた知識と技術を生かしてビルやマンションの空調設備・住宅設備機器設置工事を手がけるようになった。

 さらにその後、環境保全に対する意識の高まりを受けて、2002年に太陽光発電事業部を設立。市場を次々に開拓し、「太陽光といえば芝浦」の評を獲得するほどとなる。事業拡大とともに増資も積み重ね、10年にはホールディングス体制に会社を再編成。不動産、建設などと矢継ぎ早に多角化経営を進め、各分野でめざましい業績を収めていった。なかでも、太陽光発電事業の展開スピードには目を見張るものがある。05年に太陽光発電とオール電化により光熱費の大幅削減を可能にするマンション「ニューガイア上石田」を竣工。同年「第10回新エネ大賞経済産業大臣賞金賞」を受賞した。また12年に「九州ソーラーファーム1」として「嘉麻発電所」の運転を開始。その後も順調に開発を続け、現在では「九州ソーラーファーム45」の「厚狭発電所」(21年7月)まで拡大した。

芝浦グループ45番目のメガソーラー「厚狭発電所」
芝浦グループ45番目のメガソーラー「厚狭発電所」

東京進出でいっそう事業拡大 決め手となる情報量は積み上げた信頼ゆえ

 不動産事業も好調だ。不動産事業は建設事業とシナジー効果が生まれやすい利点があるが、同社は多角化を進める過程で設立してきた数多くの子会社と綿密に連携を取りながら、この分野でも業績を積み上げてきた。

 18年6月には東京支社を設立し、東京進出をはたした。バブル期に建設された都内オフィスビルの購入・売却など、手がける不動産事業はすでに数百億円にのぼる。新地氏によれば、「東京と福岡では情報量が圧倒的に違います。九州の不動産情報も東京からくることが多々あります。17年にメガスーパーカーモーターショー2017in北九州を開催したのですが、これを皮切りにスタートしたスーパーカー事業が業界に知れ渡り、多くの情報が入るきっかけとなりました」。同社はこれまで、北九州のほか18年に熊本、19年に福岡でモーターショーを開催してきた。今は東京での開催に向けて準備をしている。

「メガスーパーカーモーターショー2019 in マリンメッセ福岡」の様子

 東京に限らず、日本各地の主要都市では再開発計画が急ピッチで進められており、これをビジネスチャンスと捉える経営者・投資家は全国に数多くいる。そうしたなかにあって新地氏に白羽の矢が立つのも、これまで積み上げてきた実績と信頼があってこそだ。実際、新地氏は次のように述べながら胸を張る。「表に出てこない情報をいかに迅速にキャッチできるかが重要だと思います。当社にそれができているのも、これまでご縁があった方々が私どもを信頼してお任せくださるからにほかなりません」。

挑戦をやめないこと、そして失敗しても立ち直れる基盤をつくること

 まさに現代日本のサクセスストーリー。だが、新地氏がこれまで取り組んできた事業がすべて功を奏してきたわけではない。これまで不動産・建設・太陽光発電などのほかにも、飲食・美容などの分野で事業展開を図っていったが、うまくいかなかった事業もある。それでも新地氏は変転する時代のニーズに応えるための挑戦をやめることはなかった。

 「やるときには迷わず進み、ダメだったら潔く引くことを大切にしています。次に活かすための教訓になりますから。現状維持に汲々とするあまりに選択肢をせばめていけば、企業はいずれ衰退します。挑戦し続けること、なにより、失敗しても取り返すことができる準備をしておくことが重要です」と語る同氏。事実、新事業に挑戦しながらも、賃貸物件や太陽光発電などのストックビジネスを通じて経営基盤を盤石にすることをつねに心がけてきた。この観点から、現在では約50億円の固定収入を100億円に引き上げることを目標としている。

福岡市中央区那の津3丁目に建設中の新本社ビル
福岡市中央区那の津3丁目に建設中の新本社ビル

    同社は22年10月に創業45周年を迎える。福岡市中央区那の津3丁目に新本社ビルも建設中だ。総工費30億円、地上10階建、延床面積5,000坪と、これまで同グループが施工してきた物件のなかでも最大級の規模となる。そこでは1台数千万円規模のスーパーカーを対象とした車両を最高のコンディションで80台保管できる「ニューガイアプレミアムガレージ天神北」も展開する予定である。

 「22年からはこれまで中核をなしてきた事業、とくに不動産事業に力を入れつつ、新事業参入も計画しています。すでに試行段階で進めている事業もあり、新会社設立の段取りまで完了しています」(新地氏)。いつまでも「世の中に必要とされる企業」でありたいとの志が、新地氏のうちに枯れることはない。


<COMPANY INFORMATION> 
代 表:新地 哲己
所在地:福岡市中央区那の津3-9-1
設 立:2010年8月
資本金:4億5,400万円 
TEL:092-718-0067
URL:https://www.shibaura-group.com/sghd


<プロフィール> 
新地 哲己
(しんち てつみ)
1953年生まれ。福岡県田川市出身。門司工業高校卒、71年、家電販売会社に入社。77年、家電販売業のシンチデンキを創業。2005年、日本初の全戸個別供給型太陽光発電付賃貸マンション「ニューガイア上石田」を開発するなど、積極的な投資で九州・福岡を中心に多分野で事業を拡大してきた。10年、芝浦グループホールディングス(株)を発足、メガソーラー事業を立ち上げ、民間企業として国内初の大規模太陽光発電所を完成させるなどこれまでの功績は数知れず。

 

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