• このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年05月21日 15:25

形骸化する国会審議打破する主役は主権者自身 植草一秀氏ブログ「知られざる真実」 

 政治経済学者の植草一秀氏は5月21日、安倍政権が憲法を無視した政策を強行するがゆえに国会審議が本来の存在意義を見失い形骸化している状況を自身のブログで指摘している。その状況は主権者に今後どのような行動をとるべきかという問題を提起している。


 国会で党首討論が行われた。安倍首相は集団的自衛権行使の容認について一般論を述べることに終始して、詳細を明言することを避けた。つまり「ごまかし」である。

 たとえば、安倍氏はこう言う。

 「一般に海外派兵は許されていない。武力の行使、戦闘行為を目的として海外の領土、領海に入ることは許されない」「海外派兵は許されない」

 「海外の領土、領海で武力行使はしない」とは述べない。「言葉の詐術」なのだ。

 TPPのことを思い出していただきたい。2012年12月の総選挙で、安倍自民党はどんなポスターを貼り巡らせたのか。「ウソつかない!TPP断固反対!ブレない!日本を耕す!!自民党」これが安倍自民党の選挙ポスターだ。選挙から3カ月後、安倍晋三氏はTPP交渉に参加する記者会見を行った。そういう人物なのである。「詐術」「トリック」「トラップ」「ペテン」なのだ。

 集団的自衛権行使の三要件とは、

1.わが国の存立が脅かされ、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利が根底から覆される明白な危険があるとき、
2.他に方法がない場合、
3、必要最小限度の武力行使等が認められる。

 こんな規定はあってないようなものだ。

 具体的規定ではなく、抽象的な規定であるから、運用によって内容をいかようにも変えられるのだ。

 だが、根本の問題は、これが日本国憲法に明らかに反していることだ。日本国憲法は、「国際紛争を解決する手段として」「国権の発動たる戦争、武力の行使、および武力による威嚇」を「永久に放棄する」ことを定めている。「集団的自衛権の行使」とは、まさに、「国際紛争を解決する手段として」「国権の発動たる戦争、武力の行使、および武力による威嚇」を実行することであるから、いかなる要件を設定したところで、憲法に反することは明らかであり、ごまかすことは許されないのだ。

 憲法を踏みにじる政治、立憲政治を破壊する政治がまかり通っている。党首討論をやっても、野党側から、安倍政治の暴挙を叩きのめすという、意志も熱意もまったく伝わってこない。国会審議は審議をしたという「アリバイ」作りの場にしかされていない。
 ごく短時間の審議をしたことにして、最後は多数決=数の論理で押し通す。その姿勢が鮮明である。
 安倍首相は「新三要件」読み上げるだけだが、新三要件など何の歯止めにもならない。抽象的な言葉の羅列であるから、解釈の余地は無限大なのだ。「水のたまっている場所」と規定しても、それが「小さな水たまり」なのか「太平洋のような大海」であるのかはっきりしない。具体的に明言しないのは、曖昧さを意図的に残すためである。
 「一般的に」の言葉は、「一般的ではないケース」の存在を念頭に置く言い回しだ。「~を目的として派兵しない」は、「別の事情での派兵はあり得る」ことを示唆するのだ。「ペテン政治」に対応するには、細かな部分の厳密性、明示が必要不可欠なのだ。

 いまのまま進めば、安倍政権の「やりたい放題」は加速する一方である。

※続きはメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1150号「形骸化する国会審議打破する主役は主権者自身」で。


▼関連リンク
・植草一秀の『知られざる真実』

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2021年08月05日 06:00

同一労働同一賃金、個別の処遇は?NEW!

 今回は、個別の処遇について検討します。なお、以下の解説はあくまで例示ですので、会社によってその手当の「性質・目的」が異なる場合には、別の結論になることもあります...

2021年08月05日 06:00

【みやき町「健幸長寿」のまちづくり(4)】健幸長寿の象徴をカタチに、元気なまちづくりを支援NEW!

 「市村清記念メディカルコミュニティセンター」は、隣接する町営の温水プール施設の改修に合わせて周辺一帯を再開発する「メディカルコミュニティみやきプロジェクト」の肝とな...

2021年08月05日 06:00

【球磨川水害から1年】「流水型ダム」が球磨川治水の要(中)NEW!

 あくまで個人的な意見になるが、緊急治水対策プロジェクトのさまざまなメニューのなかで、最も重要であり、最も象徴的な対策は、流水型ダムだとシンプルに考えている...

2021年08月05日 06:00

22年度、ついに延伸開業 地下鉄・七隈線が博多駅へ(5)NEW!

 薬院は、七隈線では天神南に次いで2番目に乗降人員が多い駅である。西鉄・天神大牟田線への乗り換えが可能なほか、駅前から博多駅方面へのバスも運行しており、交通結節点の様...

2021年08月04日 17:02

中国の再エネ巨大市場 脱炭素化を追い風に「技術覇権」狙う(前)

 中国は世界の太陽光パネル生産量の約8割を占め、風力発電設備でも主要生産国の1つだ。巨大エネルギー市場をもつ中国は石炭火力発電が主力であるが、再生可能エネルギーが急拡...

2021年08月04日 16:25

【業界を読む】斜陽産業だが改革進まず、新聞は恒常的な赤字事業へ(後)

 毎日新聞は毎日新聞グループホールディングスの連結決算の公表がなくなり、持株会社と毎日新聞社の単独決算だけが公表されたため、別表は毎日新聞社単独の業績推移と決算内容で...

2021年08月04日 16:12

【コロナ禍の明暗(1)】三井物産は通期予想を上方修正、JR九州は最終黒字 第1四半期決算

 三井物産が3日、2022年3月期第1四半期の決算発表(連結)。売上高は2兆6,580億円(前年同期比44%増)、税引前利益は2,561億円(同151.2%増)、純利...

2021年08月04日 16:00

中国経済新聞に学ぶ~中国の新型ディスプレー 産業規模は世界一(後)

 欧陽氏は今年の世界ディスプレー産業大会で、「世界のディスプレー産業の規模は1,000億ドル(約10兆9,414億円)を超え、中国は世界のディスプレー産業の発展におけ...

2021年08月04日 15:37

【倒産を追う】アイリンク・アソシエイツ破産、目移りと他者利用優先主義で行き詰った井野和弘会長

 (株)アイリンク・アソシエイツおよび関連会社が7月1日、負債総額約8億5,000万円で破産手続き開始決定を受けた。井野和弘アイリンク・アソシエイツ代表取締役会長に焦...

2021年08月04日 15:26

西日本シティ銀行広報文化部・中村氏に告ぐ(4)西銀、合併により預金量で福銀逆転も一瞬で追い抜かれる~生え抜き頭取誕生で今後に期待

  2004年10月、西日本銀行と福岡シティ銀行が合併して西日本シティ銀行が誕生した。2行の合併のおかげで、ようやく福岡銀行に預金量で7,000億円水をあけた...

pagetop