2024年10月08日( 火 )

アビスパ好調続く、井原監督の準備力

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 J2のアビスパ福岡が、好調さをキープしている。2015明治安田生命J2リーグ第18節ジェフユナイテッド千葉戦(千葉フクアリ スタジアム)で前半に2-0と先制されながらも、前半35分金森健志選手、後半73分中原貴之選手がそれぞれゴールを決めて、そのままドローとなった。アウェーの劣勢の試合で、終盤に追いつき負けなかったことは、さらなる進化の証である。9勝5敗4分、5位という現状は「上々の成果」(井原正巳監督)だが、チームは、まだまだ成長、進化できるという貪欲な姿勢だ。

ihara<

アビスパ福岡 井原 正巳 監督

 試合後の井原正巳監督は、「立ち上がりからしっかり気を引き締めていこうという話をしていたにもかかわらず、少し浮き足立った形と相手がボールをシンプルに入れてきたことに対して、セカンドボールなど少し押し込まれた中で簡単に失点してしまったので、ゲームを苦しくした要因だと思います」とコメント。ところが、アウェーの立ちあがりで先制点と追加点を続けて取られ、ズルズルいかなかったのが、今年のアビスパの真価だった。
 「そこからしっかりチームが落ち着きを取り戻して自分たちのサッカーをある程度できた」と井原監督は評価した。前半1点を返すと、ハーフタイムに「もっと自分たちから積極的に自信をもって行こう」と話をしたという。選手も後半、前半の立ち上がりとは打って変わって主導権を握った。アビスパにとって、今季0-2を初めて追いついた。しかもアウェーのプレッシャーのなかで――。
 「今日の試合は非常にチームにとっても、また、相手が千葉さんということを考えても大きな勝ち点1になった」と、確かな手ごたえを感じている。
 井原監督は、アウェーにもかかわらず、多くのサポーターが駆けつけて、熱い声援で試合を盛り上げてくれたことにも感謝と敬意を表した。

 好調の原因、2点差を追いついたメンタル面、技術面、体力面の強さは、井原監督のもとで選手らが積み重ねてきた「ハードワーク」の成果が出てきた表れだ。
 先日、井原監督にインタビューした。プレイヤーとしての実績はワールドクラスで、ディフェンダーとして世界にその名を轟かせているが、サッカーを知らない人々でも井原監督のことを「知っている」と言う。指導者およびサッカーの普及・伝道者としても秀逸で、コミュニケーション力が豊かだ。
 プレイヤーとスタッフに対して日々のハードワークを課し、試合に向けての準備を徹底させている。コーチをはじめとしたスタッフに対する明確な役割分担も実践している。
 プロとして試合に向けての準備の重要性がプレイヤーとスタッフに対して、正確に伝わっていることで、一人ひとりの仕事が機能し、生産性を向上させている。
 6月21日(日)は、ホームのレベスタにツエーゲン金沢(リーグ3位)を迎える。キックオフは午後6時。まだまだ進化を続けるアビスパに期待する。

【河原 清明】

 

関連キーワード

関連記事