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2017年02月24日 10:02

大塚家具の改革はなぜ失敗したか 「仏作って魂入れず」の悪しき実例(後)

 社内改革は難しい。成功するよりも失敗したケースが圧倒的に多い。大塚家具は社内改革にものの見事に失敗した。大塚久美子社長(49)は創業者の大塚勝久氏(73)を追放して、経営改革に邁進したが、業績悪化に拍車がかかり、とうとう経営は崖っぷちに立たされた。なぜ、失敗したのか。検証してみよう。

10人の取締役中、6人が社外取締役という異常

 2015年3月末の大塚家具の株主総会で、ガバナンスの透明性を訴えた久美子氏が勝利し、新体制がスタートした。その取締役の構成を見て仰天した。取締役は社外取締役一色。10人の取締役のうち6人が社外取締役だ。半数を超える6人の社外取締役は、勝久氏の逆襲を封じるためとはいえ異常だ。

 経営を監督する取締役と業務の執行を担う執行役員を分離するのが、欧米流のガバナンスである。社外取締役で構成される取締役会が、すべて意思決定する。大塚家具はコンサルタントの教科書に忠実な取締役の構成だ。

 だが、大塚家具はグローバル企業ではない。上場会社とはいえ、中小企業の町の家具屋さんだ。欧米の大企業のカバナンス体制を移植して、正常に機能すると考えたのだろうか。組織図だけは、社外取締役中心の体制にしても、その体制を運用するノウハウを持っていたか疑わしい。

 社内改革には、それまでのやり方を変えるわけだから、社員の抵抗は強い。トップが現場に出向き、かくかくしかじかの理由で改革が必要なことを訴えねばならない。「あの人がやるのなら何とかなるだろう」と社員に納得してもらう。すぐ成果が上がるようなことをやって、周囲を巻き込んでいく。こんな辛気臭いやり方が常道だ。

 久美子社長は、勝久氏時代の「会員制」を見直し、店員が顧客につきっきりになる接客を改めた。顧客が自由に歩き回り、必要があるときに声をかけるスタイルが時流に合うと考えた。それなら現場に出向き、社員を説得して、小さな成果を上げることから始める必要があったのではないか。

 メディアに登場して改革を声高に唱えると、マスコミ受けはするが、改革を担わねばならない社員はシラケるだけだ。社内改革は、トップが社員を巻き込むことができるかで決まる。久美子社長は、ガバナンスのお手本となる組織図はキレイに作ったが、人を動かすノウハウは持っていなかった。
「仏作って魂入れず」。久美子社長による大塚家具の改革が失敗に終わった理由だ。

(了)

 
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