【東京五輪汚職事件】森元総理、逮捕されるか?
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東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件について、いよいよ東京地検特捜部は、本丸に切り込もうとしている。
スポンサーの選定などをめぐり、大会組織委員会の元理事に賄賂を渡したとされ、贈賄罪に問われた大手紳士服販売「AOKIホールディングス」の前会長らの初公判が22日、東京地裁で行われた。
前会長の青木拡憲被告、青木前会長の弟で副会長の青木宝久被告、それに元専務執行役員の上田雄久被告の3人は、五輪・パラ東京大会のスポンサー契約などに関して便宜を図ってもらう目的で、組織委員会の元理事で電通OBの高橋治之被告に2,800万円の賄賂を渡した贈賄の罪に問われている。3人は起訴内容について、いずれも「間違いありません」と認めている。高橋被告は、大会スポンサーの契約業務を請け負った広告大手ADKホールディングス側と、大会マスコットのぬいぐるみを販売した都内の会社に便宜を図り、総額5,400万円の賄賂を受け取ったなどの受託収賄の疑いなどでも逮捕されている。なお、受託収賄罪での起訴内容を否認している高橋治之被告らの公判日程は決まっていない。
検察側は、初公判の冒頭陳述において「青木被告らは選定権限を持つ森喜朗元会長に面会するように、高橋被告から勧めを受けた」ことを指摘している。検察側の調べに対し、森氏は高橋被告の理事就任について、竹田恒和日本オリンピック委員会(JOC)前会長から推薦を受けたことを認めている。高橋被告が電通出身であることにメリットを見出し、その人脈を利用しスポンサー集めなどをやってもらうことにしたという。しかも問題は、権限が森氏に集中していたことだ。
「スポンサー決定は、理事会の決議により、会長の私に一任されていた。」
森氏はこう述べているが、これは組織のガバナンスが問われる問題である。スポンサー探しや交渉、組織委のマーケティング専任代理店を務めた電通とのやりとりなどは高橋被告や組織委職員が行い、森氏は了承する立場にあった。
先月25日、東京地検特捜部は、「電通」などの強制捜査に乗り出したが、捜査の過程で、五輪パラのテスト大会の計画立案業務を舞台にした談合疑惑をつかんでいた。今回の汚職事件は、贈賄側としてAOKIホールディングス、出版大手のKADOKAWA、駐車場経営のパーク24などが、摘発されている。
特捜部が狙っているのは、電通や森喜朗元首相だといわれている。AOKIの前会長、青木容疑者が、大会組織委員会の会長であった森氏のがん治療の見舞金として200万円を手渡したこととされているが、もし会長の職務に対する便宜への対価として受け取ったとなると、収賄罪、受託収賄罪に該当するという。
12月12日、森元首相は東京都内で開かれた会合で「大変申し訳なくお詫びしたい」と謝罪したが、はたしてそれで済む話だろうか。
【近藤 将勝】
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