2024年11月04日( 月 )

相手が見えないことの戦いにくさ~統一選こぼれ話3

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 9日投開票の福岡県議選(古賀市選挙区)では、自由民主党現職で立候補した吉田けんいちろう氏(50歳)が無所属新人の竹下しづお氏(54歳)を破り、2期目の当選を決めた。結果的に吉田氏が勝利したものの、今回の選挙戦は吉田氏陣営にとっては“相手(竹下氏)の姿がよく見えない”なかでの戦いを強いられたという。

 当初は吉田氏の無投票当選も予想されていたなかで、告示日ギリギリで竹下氏が出馬を表明。当時の竹下氏は現職の古賀市議会議員であり、会見も行わずに出馬したことで、その出馬の意図がわからないと市民を困惑させた。

 そして、いざ選挙戦が始まると、竹下氏は駅前の店舗の一角を間借りするかたちで選挙事務所を構えるものの、こちらはあくまで届出上の仮の選挙事務所という様相。また、通常の選挙カーや拡声器を使用せずに市内各地を回っては、神出鬼没に街頭演説を繰り返しており、通常とは違った異質な選挙戦を繰り広げていたようだ。

 当の竹下氏は元古賀市長を務めたこともあるほか、カルト宗教団体の元幹部であったことなど、ある意味で知名度は高い人物。それだけに、吉田氏陣営からすると「相手が強いのか弱いのか、それが見えないだけに非常に戦いにくい」という選挙戦だったという。

 一方の吉田氏は、選挙カーでの遊説や街頭演説、各地への挨拶回りなど、昔ながらのいわば“王道”の選挙戦を実施。とくに、1期目4年間でも強力タッグを組んでいた地元古賀市の田辺一城市長の全面的なバックアップも受けながら、自身のこれまでの成果を訴えていった。

 その結果、同選挙区の投票数1万5,989票(投票率は33.31%)のうち、吉田氏が9,775票と約6割を獲得。竹下氏(得票数5,762票)に勝利した。

【坂田 憲治】

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