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2015年09月19日 07:07

エミ・マイヤー in nakasu Jazz~ジャズを応援する人々の笑顔が美しい

nakasu 「中洲にはJAZZが似合う」という想いから2009年に生まれたnakasu Jazz。今年で7回目を迎えた同イベントは9月11日、12日、両日にわたって行われ、好評のうちに幕を閉じた。
 10カ所、90ステージのそれぞれで全国から集まったジャズ・アーティストが熱演、熱唱。中洲界隈が感動と興奮のるつぼと化したなかで、NETIBニュースでは、縁あって13日、キャナルシティ博多presents サンプラザステージで行われた、エミ・マイヤーさんのステージを紹介する機会を得た。

 エミ・マイヤーさんは日本人の母親とアメリカ人の父親の間に京都で生まれアメリカで育ち、今もアメリカを拠点に活動するシンガー・ソングライター。その暖かなスモーキー・ボイスは、日本でも、トヨタ・プリウスをはじめとする数々のCMソングや映画「ビリ・ギャル」の挿入歌などで幅広く知られている。今秋、ジャズ・スタンダードをテーマに取り上げた新作「モノクローム」をリリースしたばかり。そのなかから、nakasu Jazzで初めてライブ披露した曲もあった。

funsui emi2

 12日夜のステージはあいにくの雨模様。しかし白地に黒のシックな衣装に身を包んだエミさんは、笑顔で登場。第1曲目「Fly Me to the Moon」を披露した後、「福岡に来たのは4、5回目ですが、はじめてのnakasu Jazzで、キャナルシティもはじめてなら、雨の中で歌うのも、はじめて。初体験だらけになりました」と朗らかに観衆に語り掛けた。開演直前にステージのバックでキャナルシティ名物の噴水ショーが行われ、「噴水を観てすっかり観光気分になりました。これから(ステージのモードを)取り戻します。とっても楽しいです」と無邪気に微笑む姿に、観客は一気に引き込まれた。

 第2曲目「Smile」、第3曲目「Moon River」と続くころには雨脚が強くなってきたが、「これぐらい大丈夫!(実家がある)シアトルでは年中雨が降っていますが、皆、傘なしで歩いています」と元気に語り、観る者の心をシアトルの街角に居るような気持ちにさせてくれた。世界各地で活動するエミさんは、第4曲目「Home」では「歌詞の内容がパリなので、パリで録音することになったとき、収録曲に選びました。とても好きな曲です」、第5曲目「Room Blue」では「ベネチアで書いた曲です。思い出を、ベネチアの川を泳いでいる魚に例えて、このまま掴んでいつまでも心に留めておきたい、という歌詞にしました」と、1曲1曲に込められた世界各都市の思い出を紹介した。

emi 第6曲目の「New York 」も、アメリカの西海岸と東海岸を代表するロサンジェルスとニューヨークを比べ、それぞれの魅力を語った曲。「ロスは広くて車文化だから、ニューヨークほど人とぶつかりあって意見を交わすことはありません。でも、人と人とがぶつかり合うニューヨークのこと、私はキライじゃない。そこから新し出会いが生まれる、という感じがするんです」(エミさん)。そんなエミさんが生まれ故郷の日本語で歌う第7曲目「君に伝えたい」は、人を本当に大事に想う気持ちの素晴らしさを率直に伝えてくれる歌だ。

 エミさんが、ジャズへの想いを語ったのは、第8曲目「What a wonderful world」を歌う前だった。通常、エミさんは歌詞とメロディを書き、自分で歌う。ピアノの修練を積んでいるので、人からジャズとのつながりの深さについて語られることが多かったが、ジャズを良く知るエミさんだけに、自分の曲をジャズと重ねられることに違和感を覚えてきたそうだ。だが、最近はジャズの歴史やスタンダードの魅力に感動し、時代を経て受け継がれてきた歌をうたうことでパワーをもらっているという。「少し大人になったのかな?今のタイミングでジャズ・スタンダードを歌えるのが嬉しい」とエミさん。そして「皆さんが中洲ジャズのイベントを応援しているのステージ前に観て、感動しました」とステージを囲む観客たちを見渡して満面の笑みを見せた。
最後の曲となった「On The Road 」ではキャナルステージを階上から見守る観客たちに向かって、「2階からも、3階からも観てくださっているんですね。ライブハウスとは違って、皆さんの顔がひとりひとり見えるところが素晴らしい。皆さん、笑顔です。美しいです」と両手を広げて、感謝と感動を表現した。

emi3 「音楽を奏でる人たちと、観る人たちが、至近距離でお互いの顔を見つめ合いながら、音楽によって笑顔を分かち合える」それがnakasu Jazzの魅力であり、これからも愛され続ける力となっていくことだろう。nakasu Jazz最終日の、キャナルシティステージの最後を飾ったエミさんのその言葉は、nakasu Jazzの魅力をそのまま表現してくれた形になった。

【エミ・マイヤーさんから一言】
 福岡には何度か来ていますが、以前出会った子どもたちが、成長した姿で会いに来てくれたのを見て、時を積み重ねていくことの素晴らしさを感じました。nakasu Jazz、またぜひ参加したいですね。皆さん、どうもありがとうございました。

<ARTIST INFORMATION>
エミ・マイヤー Emi Meyer
アメリカを拠点に活動するシンガー・ソングライター。日本人の母親とアメリカ人の父親の間に京都で生まれ、1才になる前にシアトルに移住。

07年 シアトル―神戸ジャズ・ボーカリスト・コンペティションで優勝。その後、Jazztronik、Joe Henry、Yael Naimなど国内外の著名アーティストと共演を重ね、フジロックなど各地の大型フェスにも出演。
09年 デビューアルバム 『キュリアス・クリーチャー』リリース。
12年リリースの『LOL』の収録曲「オン・ザ・ロード」が、プリウスのCMで使用されスマッシュヒット。その他、ダノンビオ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などのCMソング、映画「ビリギャル」にも3曲提供。
15年9月、ジャズ・スタンダードをテーマに新作『モノクローム』をリリース。

 
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