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2015年10月08日 11:16

柳川商店街再生の試み(5) 地域づくりにマーケティング発想を! 

 柳川商店街の「地域状況調査」分析結果の続きをご紹介します。前回紹介したグループインタビューの結果を検証すべく、住民・消費者アンケート調査を実施しています。この調査は、地域の消費者のニーズを把握し、ニーズに応えることのできる商店街づくりを目指すためのデータを得ることを目的に行われました。以下、調査概要を記します。


調査方法:郵送調査法
調査対象:柳川商店街の商圏(400m圏)内の20歳以上の男女個人
サンプリング:柳川市住民基本台帳から無作為抽出
調査時期:2013年12月~14年1月
サンプル数:1,000サンプル発送、有効回収数345サンプル、回収率34.5%

 さて、調査結果ですが、男女比は28.7%対48.4%(不明22.9%、不明が多かったのは調査票レイアウト上のミス。通常性別でこんなに不明が出ることはありません。私のミスです)。

 年代は20歳代から70歳代まで、まんべんなく分布しています。商店街の消費者調査でよく見かけるのは、対象を世帯主にして住民票から抽出するケースです。一般に消費者調査では、世帯対象か個人対象かが問われますが、多くの商店街がこの基本を知らずに世帯対象とするケースが多いのです。昔は、一家の主婦がほとんどのものを買い、世帯財として家族皆で一緒に消費するという形態が多かったのです。だから調査も世帯の主婦を対象にして、世帯の消費の実態を捉えていました。しかし、現在のように消費も流通も多様化を見せる時代に、この考え方は通用しません。個人の行動で捉えて分析するべきなのです。個人対象の調査であるため、職業も専業主婦、会社員、自営業、パート・アルバイトなど多様です。

 この住民・消費者アンケート調査では、個人の消費行動を多岐にわたって分析していますが、ここでは煩雑さを避けるために主要な項目に限って記述します。

【商店街利用率】
 まず、柳川商店街(調査票上では、柳川市中心部商店街と表記)の地域消費者にとっての位置づけを、週1回以上の利用ということで見ました。
 週1回以上利用する割合のトップは、西鉄ストア(柳川店、矢加部店)で56.8%です。以下には、コンビニエンスストア各店、コスモス各店と続き、柳川市中心部商店街の利用は19.1%であり、7位という順位でした。柳川商店街の400m圏内に居住している消費者ですらこの割合ですから、この範囲外の消費者の利用率は推して知るべしです。
 また、65歳以上の高齢者層の柳川市中心部商店街の週1回以上利用率は24.9%と各年代層で最も高いのですが、その高齢者は、西鉄ストアの利用率も67.3%と、どの年代層よりも高いのです。商店街も食品スーパーも高齢者によって支えられているのです。

【商店街利用理由】
 柳川市中心部商店街の利用理由の第1位は「自宅から近い」が53.4%であり、利便性が売り物のコンビニエンスストアに比べても高い数値となっています。これに「昔からの馴染みで、信頼できる」という理由が33.2%で第2位となっています。どこの商店街でもほぼ同じですが、地域の商店街は近くて馴染みということで支持されているのです。
 これに対して、地元スーパーは価格と品ぞろえ、コンビニエンスストアは近さ、大型量販店は品ぞろえがそれぞれ第1位の理由に挙げられており、業態ごとの特長がよく表れています。

【商店街とコミュニティ】
 調査では、商店街とコミュニティ機能形成の関係を探るために「隣近所より広い範囲の柳川市全体の方とはどのような付き合いをされていますか」という質問をしています。

 その結果、「趣味の団体等を通じて広く付き合っている」「仕事を通じた付き合いをしている」「趣味と仕事の両方で付き合っている」の3項目を合計した値は、商店街を最も利用する層で59.0%、それ以下の利用層で58.8%、利用しない層では38.5%であり、商店街利用層が積極的に市内全域にわたってコミュニティ形成を行っていることがわかりました。もっとも、商店街利用者には高齢者層が多く、年齢を重ねるがゆえに市内全体におよぶコミュニティを形成していることは容易に想像できます(高齢者層の上記値は56.8%)。

【コミュニティ形成の際の利用施設】
 このようなコミュニティを形成する際にもっぱら利用されているのは、「喫茶店、レストラン等」の飲食店で32.5%でした。このほか、公的施設の柳川総合保健福祉センター「水の郷」も約4分の1程度の利用割合がありました。ここで大事なことは、喫茶店・レストランといった気軽な場所がコミュニティ形成の場になっているということです。このことは先のグループインタビューでも意見が表れており、商店街内に気軽に利用できるカフェが欲しいというものでした。これを裏づけるデータでした。

(つづく)

<プロフィール>
100609_yoshidaM&R 地域マーケティング研究所
代表:吉田 潔
和歌山大学観光学部特別研究員(客員フェロー)、西日本工業大学客員教授、福岡大学商学部非常勤講師。

 
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