自民、議員名明記の裏金議員リストを野党に提示

　衆議院予算委員会で本日午前9時より岸田文雄首相とすべての閣僚が出席して新年度予算案の審議を行う予定であったが、自民党が提出する「裏金」議員リストをめぐって与野党協議が難航し、予算委員会前に開かれる理事会も午前9時の時点で行われていなかった。

　立憲民主党（以下、立憲）、日本維新の会（以下、維新）、共産党（以下、共産）、国民民主党（以下、国民）の野党4党は1月30日の国会対策委員長の会談で、調査結果の国会報告がなければ、予算案審議に応じられないとの立場を申し合わせていた。

　予算委員会の理事会が本日午前9時45分に始まり、自民党は野党の指摘を受け議員名を加えた裏金議員リストを提示した。

　議員リストは安倍派と二階派が不記載だったとして訂正した政治資金収支報告書を整理したもの。2020年から22年の3年間においてキックバックを受けた政治団体名、金額、議員名を一覧にまとめている。

　ただし、リストは3年間分のみで、記載されている議員は安倍派と二階派のみとなっている。

　立憲など野党4党は、上述の会談において、自民所属の全議員を対象に裏金に関する関与を自己申告させ、金額など過去5年間分を一覧にして提示するよう求めていた。これを受けて立憲の安住淳国対委員長が、自民の浜田靖一国対委員長との会談で伝達していた。

　野党4党は現在、野党の意向として与党側に衆議院予算委員会の集中審議の開催を求めており、安倍派の萩生田光一前政調会長、世耕弘成前参議院幹事長ら「安倍派5人衆」や二階派の二階俊博元幹事長などを政治倫理審査会に出席、説明させることも要請している。

【近藤　将勝】