2024年03月03日( 日 )

23年下半期 福岡市の開発動向(後)

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南区
賑わう大橋駅前

 南区の計画戸数は、上半期から142戸減の441戸となった。南区は根強い人気を誇る大橋、高宮、井尻という3つの西鉄沿線駅を擁する。なかでも将来のまちづくりに対する展望が開けているのが大橋駅周辺エリアで、同駅至近地では(株)えんホールディングスがスーパーやジムなどが入る地上6階建の複合施設「OHASHI HILL」を計画している。また、個人による「(仮称)大橋1丁目計画」(RC造・地上10階建、ワンルーム24戸、ワンルーム外24戸、延床面積2,710m2)など、複数のマンション開発計画も確認された。

 大橋1丁目の由布療法所は解体工事が決まっているほか、3丁目のマンション・大橋アローハイム側の戸建住宅では解体工事が佳境を迎えており、土地は地場デベロッパーが取得済であることから、解体工事完了後はマンション開発が進むものと思われる。このほかにも大橋駅近隣では複数の解体工事が動き始めており、駅を中心に大橋エリアの新陳代謝は加速度的に進んでいる。前出のららぽーと福岡まで自動車や西鉄バスの利用で10分程度というわかりやすい動線の存在も、エリアブランドの向上に寄与している。

西区
トップ3を維持

 23年上半期に続き、計画戸数上位3エリアを維持した西区。下半期の計画戸数は550戸で上半期比111戸減となったが、JR九大学研都市駅近隣エリアと姪浜・小戸エリアでバランス良く開発が続いた。

 九大学研都市駅から徒歩5分程度の山ノ鼻公園側では、(有)ビブロスによる「(仮称)ビブロス」(RC造・地上8階建、ワンルーム46戸、ワンルーム外24戸、延床面積3,894.58m2)と、(有)ゼファーによる「(仮称)ZENITH BURGE」(RC造・地上6階建、ワンルーム24戸、ワンルーム外48戸、延床面積3,881.64m2)が計画されており、両物件ともに設計を上村建設(株)が担当する。

 地下鉄空港線・JR・姪浜駅まで徒歩10分程度の場所での開発も目立った。小戸4丁目では「(仮称)小戸4丁目ビル」(RC造・地上12階建、ワンルーム外44戸、延床面積3,400m2)の建設工事が進む。同ビルの建築主は鳩運輸(株)(北九州市小倉北区)で、設計・施工は照栄建設(株)が手がける。姪の浜5丁目では(株)スエナガによる「(仮称)姪の浜5丁目クリニック」の建設工事も進められている。開発エリアが偏重せず、断続的に街並みが更新されている点が、西区の強みとなっている。

城南区・早良区
延伸効果に期待

 城南区・早良区の23年上半期における計画戸数は、それぞれ181戸・338戸だったが、下半期は181戸・199戸となった。城南区は計画戸数を維持したが、早良区は139戸減と後退。地下鉄七隈線の延伸効果は見て取れなかったものの、慢性的な混雑の発生にともないラッシュ時に計6往復の増便を行うなど、七隈線利用者は確実に増加しており、駅周辺の開発需要は底堅いまま推移していくだろう。

 城南区で注目される物件は、(株)クレ・コーポレーションによる「(仮称)アクタス茶山6丁目」。建築物の概要は、RC造・地上6階建、延床面積3,738.50m2のワンルーム外41戸で、設計は(株)JIN建築設計が手がける。早良区では個人による「(仮称)祖原共同住宅」(RC造・地上9階建、ワンルーム15戸、延床面積507.94m2)や、(株)ETERNITiesによる「(仮称)昭代2丁目マンション」(RC造・地上5階建、ワンルーム16戸、ワンルーム外8戸、延床面積1,438.77m2)などが計画されている。

アクタス茶山6丁目
アクタス茶山6丁目

24年上半期は西鉄新駅に期待

 本誌vol.62(23年7月末発刊)掲載の「23年上半期開発動向」の記事中、「23年下半期は起爆剤が見当たらない」と記述していたが、その読み通りに計画戸数は23年上半期比で減少した。地下鉄七隈線の延伸効果が限定的だったことに加えて、西鉄天神大牟田線・雑餉隈~春日原駅間に新設される「桜並木駅」の開業に向けて、同駅周辺エリアでの開発が上半期に集中したことも理由の1つだろう。そして3月16日に、いよいよその桜並木駅が開業する。開業後の状況次第で開発がさらに勢いづく可能性もあり、市内7区において博多区の強さが一層際立つことになるかもしれない。

 マンション開発が減少している東区では、前述の通りアイランドシティ内で新公園の一部オープンや、大型物流施設の竣工が予定されているほか、4月には新たに照葉はばたき小学校が開校する。中央区はセントラルパーク化が進む大濠・舞鶴の両公園近隣エリア、そして七隈線沿線の薬院・六本松エリアにおける開発動向が注目される。

(了)

【代 源太朗】

(中)

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