2024年05月04日( 土 )

23年下半期 福岡市の開発動向(中)

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東区
変わる千早駅側

 東区では、計画戸数が23年上半期比で132戸減の539戸にとどまった。市内最多となる33万2,974人の人口(福岡市推計人口・24年1月1日現在)を擁しており、テニスラウンジなどのスポーツ施設や倉庫、テナントビルなど、多彩な開発が進んでいるが、住宅需要は一服感が出てきている。しかし、JR・西鉄・千早駅まで徒歩10分圏内の千早5丁目では、「MJR千早ミッドスクエア」(RC造・一部S造の地上18階建、全532戸、延床面積5万5,300m2)の建設工事が25年2月下旬の竣工を目指して進んでいるほか、そのすぐ側ではスエヒロ産業(株)による「(仮称)千早5丁目マンション」(RC造・地上15階建、ワンルーム106戸、延床面積3,080.06m2)の建設工事も進められている。また、(株)コーセーアールイーによる「(仮称)グランフォーレ千早5丁目」(RC造・地上13階建、ワンルーム60戸、延床面積2,152.32m2)も計画されており、これら駅近物件が完成することによる波及効果も見込まれることから、千早駅周辺の街並みは大きく変わるものと予測される。

 このほか、ゆめタウン博多側の馬出3丁目では「クラブスタイル馬出フェリシア」(RC造・地上6階建、ワンルーム外20戸、延床面積1,882.42m2)が計画されている。建築主は(株)アライアンス、設計者は(株)アーキスタイルで、24年1月頃の着工を予定している。幹線道路の国道3号がすぐ近くを通るほか、徒歩20分圏内には地下鉄・箱崎線の馬出九大病院前駅もある。

 東区では24年、アイランドシティ内においてアイランドシティはばたき公園の一部がオープン予定のほか、物流施設「(仮称)T-LOGI福岡アイランドシティ」(東京建物株(株)、東急不動産(株)、西日本新聞(株)、丸紅(株)の共同開発)も竣工予定となっている。憩いの場として、また一大物流拠点として、民間投資をさらに誘発できるかが注目される。

中央区
テナントビル続々

 共同住宅の計画戸数は725戸にとどまったが、最もブランド力のある中心部の天神・大名界隈では、テナントビルの開発が続いている。明治通り沿いの高橋天神ビルは、「(仮称)天神3丁目プロジェクト」として建替えが計画されている。建築物の概要はS造・地上10階建、建築主は博多管財(株)、設計者は(株)東洋企画設計事務所で、飲食店や事務所などが入居予定。着工は24年4月頃を予定している。また、天神3丁目のイオンショッパーズ福岡店の側ではRKB興発(株)による「(仮称)RKB興発天神ビル」(RC造・地上8階建)が計画されており、こちらも24年4月頃の着工を予定している。

 中心部でのマンション開発は鳴りを潜めてしまっている状況だが、セントラルパーク化が進む都心のオアシス・大濠公園や舞鶴公園に近い大手門や黒門エリアでは、大型物件の開発が控えている。注目されるのは、地下鉄空港線・大濠公園駅や赤坂駅から徒歩10分程度の旧大成建設(株)・九州支店跡地で積水ハウス(株)が計画している「(仮称)グランドメゾン大手門1丁目計画」。建築物の概要は、RC造・一部S造の地上27階建、延床面積1万7,025.40m2のワンルーム外100戸となっている。また、黒門2丁目では(株)福岡地行による「アクロス大濠公園グランビュー」(RC造・地上13階建、ワンルーム11戸、ワンルーム外13戸、延床面積998.81m2)の開発が進む。

(つづく)

【代 源太朗】

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