2024年05月08日( 水 )

原田義昭元環境大臣の叙勲祝賀会に、地方議員ら冷ややかな反応

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「筑紫地域の保守系議員はほとんど出席しないのではないか」

 こう語るのは、福岡5区のある保守系地方議員。

 昨年秋の叙勲で最高位である旭日大綬章を受賞した原田義昭元環境大臣の叙勲祝賀会が23日に予定されているが、原田氏の選挙区であった筑紫地域を中心とした福岡5区の県議会議員、市議会議員の多くが出席を見合わせるようだ。

 祝賀会の発起人には麻生太郎自民党副総裁や横倉義武元日本医師会会長、小林元治日本弁護士連合会会長などが名を連ねており、新型コロナウイルス感染症対策室長を務めた尾身茂氏が特別講演を行うことになっている。

 関係者によると、祝賀会は立食パーティーで2,000人が入室可能な大宴会場で行われる。会費は2万円だが、地方議員は招待扱いのようで、案内状の会費の欄に「ご招待」の判が押されている。

 岸田政権と福岡政界に強い影響力をもつ麻生氏や日本医師会元会長・横倉氏が発起人であり、通常であれば地元の地方議員は馳せ参じるはずだが、出席を見合わせるのはなぜだろうか。

 2021年10月の衆院選において、元県議会議長の自民党福岡5区総支部長・栗原渉氏(現・自民党福岡5区総支部長)との間で公認をめぐる争いが生じ、党本部は原田氏を公認したものの、落選した。

 原田氏はその後、23年1月の筑紫野市長選挙や4月の福岡県議会議員選挙(太宰府市選挙区)において自民党県連候補に対する対抗馬を擁立するなどの動きを行っており、同県連関係者の間で原田氏は政治への執心が強いとの見方が強い。祝賀会に対する冷ややかな反応は、原田氏の一連の動きに対する地方議員の反発の表れといえる。

 加えて、原田氏が旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と近い関係にあることへの懸念の声が複数の地方議員から聞かれた。

 原田氏と近い関係にあったある市議はデータ・マックスの取材に対し「衆院選が尾を引いていて、どの議員も行かないという。政治資金パーティーの問題が騒がれているときに、現職のパーティーと変わらない金額で、タイミングも悪すぎる」と語った。

 福岡5区の現職は立憲民主党の堤かなめ氏で、日本維新の会や参政党も新人候補者を擁立することを明らかにしており、保守票が分散することは間違いない。福岡9区・10区、4区においても保守分裂になるとみられ、次の衆院選において自民党は厳しい状況になるだろう。

【近藤 将勝】

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