習主席と石破首相の初会談の内容(後)
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日中の外交当局は9月、東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出をめぐり、国際原子力機関(IAEA)のモニタリング(監視)を拡充したうえで、中国による日本産水産物の輸入再開で合意した。石破首相は会談後、記者団に「習主席自身が(合意に)言及したことは非常に重い」と強調した。ただ、再開の具体的な時期は示されなかった。会談では、日本産牛肉の輸入再開や、精米の輸入拡大に向けた協議も行われたという。
石破首相は「頻繁に意思疎通や往来を図り、課題と懸案を減らしていくため互いに取り組む」と強調した。
石破首相はまた、8月の領空侵犯をはじめとする中国軍の活動の活発化に深刻な懸念を伝えた。中国・深周市で日本人学校の男子児童が刺殺された事件についても提起し、在留邦人の安全確保を求めた。石破首相によると、習主席からは「日本人を含むすべての外国人の安全を確保する」と言及があった。
石破首相は大変理性的な政治家であり、主張の一貫性や問題の現実性の見極め、さらに「何事も道理を重んじる」という考え方にそうした面が表れている。中国と日本にはさまざまな懸案事項があり、その多くは一夜にして解決できるものではない。よって、まずは関係を安定させることであり、いざこざをなくして理性や実務性をアピールすることである。
石破首相が就任した日、中国の習近平国家主席が直ちに祝福のメッセージを送った。また李強総理もASEAN首脳会議のさなかに石破首相との会談実施に即座に応じた。
この会談は大変順調であった。石破首相は言いたいことをすべて話したが、それでも会場の雰囲気は友好ムードだった。そして次回、11月のAREC首脳会合ではおそらく石破首相と習主席との会談が行われるだろう。習近平が石破首相にマオタイ酒を贈るかは定かでないが、ハイレベル会談により中国の指導者と信頼関係を築くことで、自ずと両国の交流や協力という新たな時代が切り拓かれてゆく。
石破首相の就任で、中日両国の関係改善や発展に十分な期待や希望がもてるようになった。
(了)
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