来年で開館20周年 九州国立博物館が記念事業を実施
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九州国立博物館は2005年10月16日に、東京・京都・奈良に次ぐ4カ所目の国立博物館として、太宰府市にオープンした。来年10月に20周年を迎えることから、その1年前となるこのほど、「開館20周年記念事業」の概要を発表。同事業は、25年1月から26年3月まで(24年11月時点)、断続的に開催される。
外観と20周年を表す「20th」の文字を組み合わせた20周年の記念ロゴマークも制作されている。事業の目玉となるのが、20周年記念特別展「九州の国宝 きゅーはくのたから」(25年7月5日~8月31日)。九州・沖縄、同博物館に伝えられた「宝」を一堂に紹介する催しで、宮地嶽古墳出土品「金銅壺鐙」など九州・沖縄にゆかりのある数々の国宝や、平安時代(12世紀)に制作された重要文化財の男神坐像と女神坐像といった、同博物館が所蔵する選りすぐりの名品が展示される。
このほか、25年1月21日~5月11日には、埴輪の最高傑作である「埴輪 挂甲(けいこう)の武人」が国宝指定50周年を迎えたこと、そして九州国立博物館の開館20周年を記念して、全国各地から約120件の選りすぐりの至宝が集結する展示も行われる。
九州国立博物館は「九博」(きゅうはく)、「九国」(きゅうこく)の愛称で知られ、国内の国立博物館のなかで最大の敷地面積と、1つの建物としては3万85m2の最大の延床面積をもつ博物館として開業した。「今世紀を創った世界建築家100人」に選ばれた菊竹清訓氏の設計によるもので、クジラをモチーフとした外観のほか、九州から集められた木材を多用していることも特徴の1つとなっている。
九州が日本におけるアジア文化との交流の重要な窓口であった歴史的かつ地理的背景を踏まえ「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える博物館」をコンセプトに掲げている。メイン展示は「海の道、アジアの路」をテーマとする「文化交流展」。毎週何らかの展示替えを行うほか、特別なテーマを設定した「特集展示」を開催することで、展示内容の充実に努め、開業以来1,800万人以上が来場しているという。
【田中直輝】
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