政治のレベルは国民のレベル
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NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「革新勢力の連帯と主権者の選挙への全員参加が日本政治のレベルを引き上げる決定打になる」と論じた3月10日付の記事を紹介する。
政治を作るのは国民。政治のレベルは国民のレベル。この本質を見落とせない。日本政治の劣化が深刻だが、その日本政治を生み出しているのは日本の国民だ。
日本政治が利権政治に堕してしまっている。政治が特定企業や業界・団体に利益供与する。利益供与を受けた企業や業界は政治にキックバックの献金を行う。〈合法の賄賂政治〉がはびこっているが、この政治を生み出しているのも主権者国民だ。ただし、この政治を生み出しているのは主権者全体の4分の1。全体の25%の人の意向で政治体制が作られている。
国民の半分が選挙に行かない。選挙に足を運ぶ人の半分が自公に投票している。反自公の投票は多数の野党に分散してしまう。小選挙区や1人区の選挙では当選者が1人しか出ない。この結果、自公が選挙に勝利して政権を作ってしまう。
こうして自公政治支配の構造が形成されてきた。結果として産み出されているのが賄賂政治=利権政治である。
現状を打破するには政権を刷新する必要がある。どうすればよいか。二つのことが必要になる。第一は、現在の自公政治に対峙する政治勢力が確立されること。主権者に与えられている権利は投票する権利。この権利を使って政治を変えるには、投票に値する政治勢力が必要。民意を受け止める受け皿が必要。第二は、主権者である国民が選挙に行くこと。主権者は政治を決定する権利を与えられている。参政権だ。
しかし、その参政権を放棄してしまえば政治を決定することはできない。この点、利権政治を創作する人々は熱心だ。彼らは、雨が降っても雪が降っても、槍が降っても選挙に行く。有権者の半分が参政権を放棄してしまえば、選挙に足を運ぶ有権者の半分がまとまれば政権を獲得できる。
利権を求める人々は懸命に選挙に足を運び、政権を奪取する。
こうして
『25%の人が政治を私物化する国 』(詩想社新書)
https://x.gd/0UZ9R
が作られている。4月6日(日)午後3時から「トーク茶話会」https://isfweb.org/post-50867/が開催される。ISF(独立言論フォーラム)主催の行事で懇談を実施する予定。参加可能人数は20人で先着順の受付なので、参加希望者は早めに応募されたく思う。
この国の政治はおかしい。そう考える人は多い。しかし、おかしな政治が続いている。それは、主権者の半分が参政権を放棄してしまう一方で、利権につながる25%の人々が自分たちの利益のために懸命に政治活動にいそしんでいるからだ。
社会保障のレベルが最悪なのに、利権補助金は世界最高水準。「がんばった人が報われる社会」というが実態は違う。「うまいことやった人がうまい汁を吸う社会」なのだ。この「うまい汁を吸う者」が政府を持ち上げる。調べると、政府から巨額の補助金を受領している。このような賄賂政治=腐敗政治を容認してしまっているところに国民の大きな責任がある。
こんな政治を何とかしたい。そう考える人は多い。日本政治を刷新しようと懸命に活動する市民は多く存在する。しかし、この市民の思いが結実するにはプロセスが必要。この民意をくみ上げる政治勢力が必要だ。
※続きは3月10日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「政治のレベルは国民のレベル」で。
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