【倒産】（株）稲心（福岡）　寝具卸

破産手続開始決定
負債総額　約23億円

　5月28日、同社は福岡地裁久留米支部より破産手続開始の決定を受けた。

　申立代理人は管納啓文弁護士（（弁）みらい法律事務所、福岡市中央区警固1-12-11、電話：092-781-4148）。　破産管財人は由良清香弁護士（りぼん法律事務所、福岡県久留米市小森野4-9-6、電話：0942-27-7950）。

　負債総額は約23億円（24年9月期末時点）。

    同社は1974年4月に設立。当初は呉服類の卸売を手がけていたが、徐々に布団や枕などの寝具卸業者へ業態変更した。また、自社工場に加えて中国の協力工場での製造を開始。価格競争力で優位に立ち、全国の生協に販路を確立した。
　倉庫火災に見舞われ、07年9月期には債務超過に陥ったが、16年9月期には売上高26億4,600万円を計上し、再建をはたしたかに見えた。

　しかし、以降は量販店やEC販売の台頭で競合が激化し、採算性が悪化。24年9月期の売上高は約15億円まで下降していた。また、不良在庫や借入負担で財務が圧迫されている状況が続いていた。近年は今治タオルや海外雑貨などの取り扱いを増やすなど、商材の見直しを進めるとともに、在庫処分を進めていたが、原材料費高騰にともなう仕入れコストや人件費の増加が追い打ちとなり、今回の措置となった。