(株)コンシャスマネジメント
代表取締役 西岡隆 氏
2020年11月からスタートした国の「DX認定」の取得企業は現在1,448社。日本の法人企業約206万社に対しわずか0.07%にとどまる(経済産業省・DX認定制度取得状況(25年5月時点))。DXは大企業のものと思われがちだが、実は今こそ中小企業に必要な変革の契機である。福岡のコンシャスマネジメントは、認定取得にとどまらず実行と定着までを支援し、経営者の想いに寄り添いながら変革を後押ししている。
はじめに
皆さんは、DXという言葉からどんなことを想像されるでしょうか?最先端のデジタル技術を使いこなす大企業や新進気鋭のIT企業を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して「仕事のやり方」を大きく変えること。ITツールでの効率化にとどまらず、企業の仕組みや文化そのものを進化させます。たとえるなら、「さなぎがただ大きくなる」のではなく、「さなぎが蝶になって羽ばたく」ように、まったく新しい姿へと変わるイメージです。
DXって大企業の話?
中小企業の経営者の方と話すと、よく「DXは大企業のものでは?」という声を耳にします。確かに、AIやデジタル技術は大手企業が使うイメージが強いかもしれません。しかし私たちは、DXこそが今、中小企業にとって最も必要な武器であり、自社の未来をつくる力だと考えています。
DX認定制度とは
では、中小企業がDXを進めるには何から始めればよいのでしょうか。その一歩を後押しするのが、経済産業省の「DX認定制度」です。その主な目的は、企業がデジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスを抜本的に変革していくための準備が整っている「DX-Ready」であることを、国が認定する公的制度です。
決して大企業のためだけの制度ではなく、中小企業こそが「経営の羅針盤」として活用できる仕組みです。認定を受けた企業は、自社のビジョンや戦略を「見える化」し、取引先や金融機関、求職者に対する信頼性を高めることができます。
福岡でまだ少ない認定企業
2025年5月時点で全国約1,448社がDX認定を受けており、そのうち九州は142社(中小企業103社)、福岡県内では50社(中小企業30社)と、まだ少数です。ただし、認定数は急速に増加しており、直近1年で全体は1.4倍、中小企業は1.6倍に伸びています。
また、経産省のアンケート(2024年)では、多くの認定企業が「DX戦略の推進」「顧客関係強化」「人材育成」で効果を実感しており、制度の実効性が評価されています。
さらに「2025年の崖」といわれるレガシーシステム問題への対応も急務です。老朽化したITシステムを放置すれば、保守運用コストが急増し、技術者の退職による人材不足も深刻化します。だからこそ今、他社より一歩先に進めるかが、競争力のカギとなります。
伴走支援の在り方
私たちコンシャスマネジメントは、DX認定の取得支援にとどまらず、その後の実行・定着までを一貫して支えています。単なる申請代行ではなく、経営者の想いや会社の未来像を言語化し、DX戦略を策定。課題の整理からKPI設計、社内浸透、運用支援まで寄り添います。
たとえば、昨年ある福岡の中小企業では、「うちにDXは無理かも」という声から始まりましたが、対話を重ね、在庫管理や作業進捗のデジタル化を実現。従業員の負担軽減や業務効率化が進み、社内でも「うちは変わったね」という声が挙がるようになりました。
DX認定取得はゴールではなく、変革への“スタートライン”です。その挑戦を支える立場として、共に歩むのが私たちの使命だと考えています。
若手求職者へのアピール
今の若手求職者は、単に大きい会社や有名な会社よりも、「地域の未来をつくる力を持つ企業で働きたい」という思いを持つ方が増えています。私たち自身も、支援先の中小企業とともに地域を元気にする存在でありたいと願い、DX支援というフィールドで挑戦を続けています。輝く企業を支える立場として、これからも一歩先を目指していきます。
変革から始まる企業の未来
DX認定取得のプロセスは、単なる書類作成ではありません。経営者が「自社はどう変わりたいのか」を見つめ直し、未来への意思を言葉にする時間でもあります。だからこそ私たちは支援のなかで、「なぜDXを進めるのか」「その先にどんな未来を描くのか」という根本の問いに向き合う時間を大切にしています。
たとえば「デジタルは苦手だから無理かも」と言っていた経営者が、対話を通じて「これならできそう」「やってみよう」と言葉を変えたとき、その企業の変革はすでに始まっています。
DX認定制度は、完成形の姿を求めるものではなく、「変わろうとする意思」を国が認め、応援する制度です。だからこそ私たちは、「DXは一部の大企業だけのものではない」というメッセージを今後も伝え続けていきます。地域の中小企業こそが、自らの手で未来をつくり出せると信じているからです。
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現在、日本の企業環境は大きな変革期にあります。中小企業もその変化に対応しなければ、事業の継続が難しくなると予想されます。経営者が“変わらないことのリスク”に気づき、自ら行動を起こすこと。それこそが、自社の命運を左右するのです。私たちは、そんな企業が蝶のように力強く羽ばたく未来を心から願っています。
<COMPANY INFORMATION>
(株)コンシャスマネジメント
代 表:西岡隆
所在地:福岡市中央区天神1-4-1
西日本新聞会館16F
(天神スカイホール内)
TEL:092-736-7528
URL:https://www.conscious-mgt.com
▼8月5日に西岡氏を迎えてセミナーを開催します。ぜひご覧ください。