福岡県の最低賃金 初の1,000円超え 過去最大65円引き上げ

 福岡県の最低賃金が、現在の時給992円から65円引き上げられ、1,057円となる見通しになった。県内の最低賃金が1,000円を超えるのは初めてで、引き上げ額65円は過去最大。新しい最低賃金は、異議申し立てがなければ11月16日から適用される。

 20日に開かれた福岡地方最低賃金審議会(丸谷浩介会長)は、消費者物価指数の高い上昇率を踏まえ、「最低賃金近傍で働く労働者の生活が苦しくなっている」と指摘。一方で、企業の価格転嫁不足や倒産件数の高水準といった現実にも配慮する必要があるとした。労使双方の歩み寄りは難航したが、有識者による公益代表側が折衷案として1,057円を提示。審議会で賛成9、反対5の多数で採択された。

 福岡県の最低賃金は20年前の648円から着実に上昇し、13年前の2012年度に700円台、7年前に800円台、3年前に900円台へと上がり、近年は引き上げペースが加速している。

 今回の引き上げは、中央最低賃金審議会が示した目安(63円増)を2円上回る決定であり、福岡県では2003年度から23年連続の引き上げとなる。

【寺村朋輝】

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