コスモス薬品、2026年5月に4店舗同時開設 食品強化方針を鮮明に、熊本・大分でも攻勢へ

 コスモス薬品はこのほど、大規模小売店舗立地法に基づき、2026年5月に熊本・大分・静岡・滋賀の4県で新店舗を同時開設する届出を行った。売場面積はいずれも1,341~1,391m2、駐車場は47~66台で、九州2県では食品強化方針を打ち出した新タイプのドラッグストアとして位置づけられる。

 4店舗のうち、熊本県菊池市の「(仮称)コスモス菊池花房台店」、大分県中津市の「(仮称)コスモス中津北店」は、いずれも来年5月の開店を予定。静岡県島田市の「島田商高前店」、滋賀県栗東市の「下鈎店」も同時期の開業が計画されている。これらの店舗はいずれも単独平屋建てで、売場面積や駐車規模は同社標準仕様に近い。

 コスモス薬品は近年、「低価格・簡便・時短」を軸に食品分野を強化しており、冷凍食品や惣菜などの取扱比率を拡大。とくに自社ブランド「ON365」や「おいしい惣菜」シリーズを通じて、ドラッグストアと食品スーパーの中間業態を狙う戦略を進めている。熊本・大分の両県では、地場スーパーやマツモトキヨシグループなどとの競争が激化しており、今回の新店は食品を核とした地域密着型フォーマットの浸透度を測る試金石となりそうだ。

 物流体制では、九州北部の自社物流センターを拠点に冷凍・チルド商品の配送効率化を進めている。同社はこれまでにも在庫最適化や品切れ削減に注力しており、POSデータ連動による需要管理の高度化が進む。

 投資規模や収益目標などの詳細は公表されていないが、同社は一貫して「ローコストオペレーションと標準化された店舗設計」を特徴としており、今回の同時出店もその延長線上にある。食品強化型店舗の展開が地方市場でどこまで定着するか、来春の開店後に注目が集まる。

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