大火災に見舞われた香港ですが、食べられるプラスチックも誕生!

 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」の記事を紹介する。
 今回は、11月28日付の記事を紹介する。

 香港では高層マンションが大火災に見舞われ、多くの死傷者が発生しています。発火原因は今のところ不明ですが、改修工事の足場に竹製のパイプが使われていたり、建物の外壁に防災措置が施されていなかったことが被害を大きくした模様です。

 高層であるため、消防も思うようにはかどらず、エレベーターに閉じ込められた被害者も続出したとのこと。人災と言わざるを得ません。

 そんな香港ですが、意外な新商品も開発が進んでいます。何かと言えば、見た目も味わいも本物の牛肉や豚肉と同じような、大豆等を原料にしたフェイクフーズです。

 アメリカではマクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンまで、そうした穀物や植物を加工したお肉のようなフェイクフーズを提供するようになっています。スーパーマーケットでも「ビヨンド・ミート」や「インポッシブル・フーズ」というブランド名で売られており、人気もそこそこですが、爆発的な売り上げには至っていません。

 実は、このような人工肉を製造する技術を応用して、レタスやほうれん草などサラダの材料の野菜にコロナウイルス用のワクチンを注入したGMO野菜が既に出始めています。ファイザーやモデルナのワクチンに使われているメッセンジャーRNA溶液を野菜に移植することで、日常的に感染対策が可能になるとの触れ込みです。全米科学財団が開発予算を計上したとのニュースも流れてきました。

使い捨てフォーク イメージ    そんな中、新たなビッグニュースが香港から届いています。何かといえば、「食べられるプラスチック」が開発されたというのです。このところ海洋汚染の原因となっているプラスチック製品ですが、今回の新製品は「環境問題解決の切り札になる」ということで期待が高まっています。

 香港一の大富豪、李嘉誠(り・かせい)氏の投資会社「ホライゾンズ・ベンチャー」が手掛けており、香港政府も全面的に支援しているということです。「ディール・メイキングのスーパーマン」と異名を取る李氏の進める新商品だけに、フェイクニュースとは思えません。素材は藻類とのこと。

 李氏曰く「香港を合成生物学の開発拠点にする」。これが本当だとすれば、弁当箱もスプーンもフォークも全て食べることができるわけで、環境問題も一挙に解決するということのようです。

 香港政府は既存のサイエンス・パークを拡張し、こうした新たな技術の研究開発と実用化を推し進めることで「ニュー・ホンコン」を目指すと宣言しています。もし本当であれば、我々の生活も環境も大きく変わることになる可能性は大でしょう。

 期待したい反面、どこまで安全性が確保されているのか心配でもあります。香港の大火事ではありませんが、やけどをしないように用心して試してみたいものです。


著者:浜田和幸
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