二場元ガバナーの権勢の栄枯盛衰物語(18)「ノブレス・オブリージュ」の精神とは
世界的な奉仕団体である『ライオンズクラブ』。その慈善運動は社会的に広く認知されている。ところがライオンズクラブの複数の会員から「福岡地区=337-A地区には問題がある」との情報が入ってきた。本来国際奉仕団体としての活動は名誉栄達ではなく、純粋な社会貢献にある。
ライオンズ国際協会337-A地区元ガバナー
二場安之氏
属人的になりがちな組織運営
1週間休載した。「これで終わりか」と思われた読者も少なからずおられたと思う。会合などで顔を合わせた方々から「ライオンズの記事、どげんなったと?」というお声を何人からもいただき、期待の大きさを感じさせられた。
この間も取材は継続しており、ライオンズ関係者の方々から貴重な証言や資料のご提供をいただいた。
(17)で述べた、朝倉の水害復旧支援に絡む「337-A地区」の資金が不透明な処理をされた疑惑について触れる前に、「337-A地区」の現状と、2リジョンからの6リジョン分離について総括したい。
これまで紹介してきた向井氏や二場氏に対する非難の一方で、「特定の個人がというより、その運営の問題ではないかと思う」(現在6リジョン所属会員)との声も聞かれた。ともあれ、組織運営がリーダー次第、言い換えれば「属人的」になりがちなことは、政治や企業経営をみても明らかだろう。
ガバナーは候補となった時点で厳しい研修を受け、人格、品格、品性、ライオンズクラブでの貢献度などが問われる。尊敬される知識や資質、人格を備えた人物でなければならない。これは世界中どこのライオンズクラブにおいても共通する事項である。
その観点において、指摘されている諸問題への対応は妥当だったのか、社会奉仕団体として適正な運営が行われてきたのかを検証する必要がある。
しかし、先述したように運営が属人的になりがちである以上、その時のガバナーの個性やキャラクターによって組織が大きく左右されることもまた事実だ。
PDGの社会的責任
一口に「337-A地区」といってもそのエリアは広い。福岡県全域と長崎県の一部を管轄するが、そこには北九州・福岡・筑豊・筑後(県南)の各地域が含まれる。
北九州や福岡都市圏の1・2・4・6リジョンは、都市部ゆえに「比較的先進的な考え」(福岡都市圏のクラブ会員)である反面、3・5リジョンは各単位クラブが100人規模の歴史あるクラブも多い。地域性もあり、保守的な傾向が見られる。
例会出席率が5割から6割にとどまる都市部と比較すると、筑豊・筑後エリアのクラブは9割に達するところも少なくないという。
2リジョンには現在15クラブが属しているが、このうち1つはすでに2リジョンの合同事務局を離れ、6リジョンの合同事務局に入っている。クラブがリジョンの移籍を行う際、キャビネット会議の承認が必要で、承認されると6リジョンへと移籍が完了することになる。
ライオンズクラブ用語で元ガバナーは「PDG」(Past District Governor)と呼ばれる。二場氏もPDGの1人であり、「国際理事就任を目指している」という。
ライオンズクラブに限ったことではないが、欧米では「ノブレス・オブリージュ」(Noblesse oblige)という言葉が重んじられる。フランス語で「高貴なる者の義務」を指す言葉だが、高い社会的地位を持つ者は、相応の社会的責任や義務をはたすべきとのコンセンサスがある。ライオンズクラブにおいても同じである。地区ガバナーを務めた二場氏であれば、その意味はよくおわかりだろう。
社会的責任とは、自らのことよりもまず公に報いることだと考える。公とは、己の立身出世、利得よりも「世のため、人のため」を優先する精神である。その観点で見ると6リジョンが分離独立した要因の1つである「2リジョン内のゾーン編成」を、民主的な手続きを経ず、一部で決定しようとした動きなどは、その精神に相反するのではないだろうか。
(つづく)
【近藤将勝】









