雪国の浅い春──雪割草が開花──

福島自然環境研究室 千葉茂樹

写真1    会津磐梯山の南麓で、春の使いである「雪割草」が咲き出しました。と言っても一株だけです(写真1・2)。9日には、枯れ葉のなかからつぼみが顔を出していました。周辺の枯れ葉を取り除いたところ、10日には開花していました。

写真2    この植物は、残雪のなかから花を咲かせるので「雪割草」と言われています。正式な植物名は、スハマソウやミスミソウです(キンポウゲ科ミスミソウ属スハマソウ,ケスハマソウ)。これらをまとめて「雪割草」と言います。花の直径は1~3cmと小さく、また、一株で同時期に開花するのは数輪で、山麓を散歩するときなど、注意して見ないと気がつきません。昨年も雪割草の記事を書いていますので、興味のある方はこちらもご覧ください(磐梯山麓の雪割草(ユキワリソウ))。また、雪割草でとくに有名なのは新潟県の角田山で、毎春多くの方が訪れています(雪割草の開花情報)。

 昨年の開花は、2月に大雪が降ったことから3月の下旬でした。それと比べると、今年は20日ほど早い開花です。3月下旬に向けて、これからどんどん開花していきます。 3月下旬にはお花畑のようになると思います。今年の最盛期の様子も皆さまにお伝えしたいと考えています。

 また、周辺を見ますと、マンサクが開花し(写真3)、フクジュソウも開花直前でした。まだ残雪がありますが、それでも雪国の春はゆっくりと近づいています。

写真3


<プロフィール>
千葉茂樹
(ちば・しげき)
千葉茂樹氏(福島自然環境研究室)福島自然環境研究室代表。1958年生まれ、岩手県一関市出身、福島県猪苗代町在住。専門は火山地質学。2011年の福島原発事故発生により放射性物質汚染の調査を開始。11年、原子力災害現地対策本部アドバイザー。23年、環境放射能除染学会功労賞。論文などは、京都大学名誉教授吉田英生氏のHPに掲載されている。
原発事故関係の論⽂
磐梯⼭関係の論⽂
ほか、「富士山、可視北端の福島県からの姿」など論文多数。

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