蔵内勇夫福岡県議会議長、記者クラブ未加盟社の記者会見参加を拒否

 福岡県議会の海外視察やワンヘルス事業をめぐる問題が全国的な注目を集めるなか、福岡県の「部課長会」が給与から天引きした会費で県議会議長・副議長の政治資金パーティー券を購入していた問題などについて、蔵内勇夫議長が11日に記者会見を開催する。しかし、会見を主催する福岡県議会事務局および、福岡に拠点を置く放送局・新聞社・通信社が加盟する福岡県政記者クラブは、記者クラブ未加盟社の蔵内議長会見への出席を拒否した。

 データ・マックスは、福岡県議会事務局に対して、会見への参加を求めていたが、10日午前中、議会事務局から「今回、会見時間が1時間ということでご参加をお断りさせていただきたい」との回答があった。

 また、県政記者クラブの幹事社である朝日新聞社からは、担当記者を通じて「議会事務局の主催になるので加盟社以外の参加が認められるのかは分かりません」としたうえで、「クラブとして要望して開かせた会見で時間もタイトなので、加盟社だけと考えておりました」とのメールが届いた。つまり、県議会事務局と記者クラブ幹事社の認識は、未加盟社の排除に関して一致しているのではないか。

 今回の措置について「記者クラブ未加盟社やフリー記者の参加だけでなく、ユーチューバーなどの参加を規制したい思惑もあるのでは」との見方もある。

 福岡県議会の問題をめぐっては、西日本新聞が報道したことが発端となり、政治系ユーチューバー「センキョタイムズ」が蔵内議長らを刑事告発する動きにも発展した。報道の過熱ぶりを受け、県議会側によって取材規制が検討されるという前代未聞の動きもあったが、県民や全国の良識的な国民の声に押され、撤回に追い込まれた。

 しかし、福岡県議会の問題は、県議会や行政当局だけでなくメディア側にも問題があることを指摘する声は少なくない。

 今月に入って、記者クラブ未加盟社である共産党の機関紙「しんぶん赤旗日曜版」が、6月7日号で、県議の視察報告書についてJICA(国際協力機構)の資料などから、出典・引用元を明記せずに報告書に流用していたことをスクープ。県議会事務局は赤旗の指摘を受け、ホームページから削除する措置を行った。

 ところが、赤旗日曜版の記事が公開された6月3日の翌日(4日)の朝刊において、毎日新聞と読売新聞(ともに西部本社版)は赤旗が調査・取材した事実を記事中で明記したものの、西日本新聞と朝日新聞では赤旗の報道によるものであるとの記載がなかった。

 朝日新聞は、5月23日から25日にかけて「オールドメディアが響かない Z世代のリアル」と題する連載記事を、同社のウェブニュースとして掲載した。「同世代にオールドメディアの記事が響かない」ことを痛感した20代後半の朝日新聞の各セクションの記者が、同世代や有識者に取材したものだが、SNS上では「自虐的すぎる」といった声も上がっていた。

 そもそも、20代などの若い世代だけでなく、中高年を含めた全世代において、新聞やテレビを中心とした既存メディアへの批判や不満の声は根強い。

 11日の蔵内議長の会見は福岡県民の関心事であるが、議会や行政の問題を批判する前に、大手メディア自身が閉鎖的であることを自覚すべきであろう。「報道しない自由」「記者クラブ以外を排除する」ようでは、ますますオールドメディアへの信頼は落ちるばかりであることを指摘しておきたい。

【近藤将勝】

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