JR九州、27年3月期中間は増収減益 熊本地震で運輸減益、純利益予想46億円下方修正
4日、九州旅客鉄道(株)(JR九州、福岡市博多区、古宮洋二代表)は2027年3月期中間連結決算を発表した。それによると、売上高は2,464億5,800万円(前年同期比3.7%増)、営業利益は362億7,400万円(同11.3%減)、経常利益は351億7,500万円(同14.3%減)、中間純利益は214億8,400万円(同3.8%減)で、増収減益となった。
不動産賃貸業やホテル業などの収入増により、売上高は中間期として6期連続の増収となり、過去最高を更新した。一方、7月に発生した「令和8年熊本地震」の影響などで鉄道旅客運輸収入が6期ぶりに減少。営業利益と経常利益は6期ぶりの減益となり、中間純利益も3期連続で減少した。
主力の運輸サービス事業は、売上高910億2,800万円(同1.3%減)、営業利益136億6,900万円(同26.2%減)となった。熊本地震にともなう九州新幹線などの運転見合わせや本数削減が響いた。JR九州単体の鉄道旅客運輸収入は822億4,500万円(同1.6%減)で、このうち新幹線は296億5,900万円(同12.6%減)となった。一方、在来線は525億8,600万円(同5.9%増)と伸びた。
不動産・ホテル事業は、売上高800億1,600万円(同4.4%増)、営業利益177億8,800万円(同0.5%減)となった。不動産賃貸業は売上高423億6,300万円(同6.0%増)、営業利益107億2,300万円(同4.1%増)、ホテル業も売上高168億700万円(同6.4%増)、営業利益33億1,700万円(同10.8%増)と好調だった。一方、不動産販売業は売却資産の原価率上昇などから営業利益が18.2%減少し、セグメント全体では増収ながら微減益となった。
流通・外食事業は、外食業の収入増などで売上高372億4,200万円(同7.4%増)となったものの、経費増により営業利益は20億3,500万円(同0.7%減)となった。建設事業は工事の増加により、売上高468億9,100万円(同15.4%増)、営業利益10億9,600万円(同59.4%増)と大幅な増収増益。ビジネスサービス事業は受注増で売上高405億4,100万円(同3.0%増)となった一方、経費増により営業利益は22億8,600万円(同1.6%減)だった。
利益面では、売上高が増加した一方、運輸業等営業費・売上原価が前年同期の1,322億5,600万円から1,408億3,800万円へ、販管費が644億7,100万円から693億4,400万円へ増加し、営業利益は46億1,200万円減少した。営業外でも支払利息が20億2,000万円から29億5,100万円へ増えたことなどから、経常利益は58億5,100万円減少した。
熊本地震では、九州新幹線や鹿児島本線などで高架橋の損傷やレールの変状などが発生した。同社は、中間期までに災害損失引当金繰入額88億3,200万円、災害による損失1億6,700万円を特別損失に計上した。 復旧費用などを含め、鉄道設備の損害額は約90億円、駅ビルなどでも約2億円の復旧費用を見込む。鉄道旅客運輸収入への通期影響は約67億円の減収を見込んでいる。
一方、前年同期には「博多駅空中都市プロジェクト」の計画中止などにともなうプロジェクト撤退損87億200万円を計上していたため、特別損失全体は前年同期の111億2,200万円から94億7,500万円へ減少した。この反動もあり、中間純利益の減少率は営業・経常利益に比べ小幅にとどまった。
同社は同日、27年3月期の通期業績予想を修正した。売上高5,205億円(前期比4.0%増)、営業利益750億円(同1.3%増)、経常利益709億円(同4.2%減)は従来予想を据え置いた一方、当期純利益を従来予想の516億円から470億円(同3.4%増)へ46億円下方修正した。
熊本地震の影響を踏まえ、通期の鉄道旅客運輸収入も従来予想の1,751億円から1,744億円へ7億円引き下げた。一方、不動産・ホテル事業などの上振れを見込むことから、連結売上高と営業・経常利益の予想は維持した。運輸サービス事業の通期営業利益予想は238億円から215億円へ23億円引き下げる一方、不動産・ホテル事業は341億円から363億円へ22億円引き上げている。
【寺村朋輝】









