不動産集客は「お客さま」から考える

 不動産の広告をつくるとき、皆さんは最初に何を考えるでしょうか。「どんなデザインにしよう」「チラシを配ろう」「Instagramをやろう」「看板を新しくしよう」──もちろん、どれも大切です。ただ私は、その前に決めることがあると思っています。

 それは、「誰にきてほしいのか」です。不動産の広告では、「新築一戸建 好評分譲中」「モデルハウス公開中」「入居者募集中」といった言葉をよく見かけます。その文言は間違ってはいませんが、それだけでは「誰に向けた広告なのか」がわかりにくいのです。

 広告は、できるだけ多くの人に見せればいいというものではありません。大切なのは、買ってほしい人、借りてほしい人に、「これは自分に関係がある」と感じてもらうことです。同じ新築一戸建でも、お客さまによって魅力に感じるポイントは変わります。小さなお子さんがいる家庭なら、「〇〇小学校まで徒歩6分」が気になるかもしれません。共働きのご夫婦なら、「〇〇駅まで徒歩8分」「スーパーまで徒歩3分」が重要かもしれません。車を2台所有する家庭なら、「駐車2台可能」が大きな判断材料になることもあります。これは賃貸でも同じだと思います。学生に向けるのであれば、大学へのアクセス。社会人であれば、駅や職場への通いやすさ。子育て世帯であれば、学校や公園、買い物環境など。

 物件は同じです。変わるのは、誰に向けて伝えるかです。「あれも伝えたい、これも伝えたい」と、ついつい情報を詰め込みがちですが、何を書くかと同じくらい、私は“何を書かないか”も大切だと思っています。

 まずは、「この物件を一番買ってほしい人は誰だろう?」と考えてみる。「ファミリー」という大きなくくりだけでなく、「30代夫婦で、小学生になる子どもがいて、今は賃貸住宅に住み、この地域から離れたくない家族」くらいまで具体的に考えてみてもいいと思います。その人は、何を知りたいのか。何を不安に感じるのか。何を見たら現地へ行ってみようと思うのか。そうして具体的に考えていくと、広告で伝えるべき内容も、少しずつ見えてきます。そしてこれは、看板でも、のぼりでも、チラシでも、WEBでも同じです。媒体、デザインから考えるのではなく、まずお客さまから考える。SNSを始める前に、お客さまを考える。

 広告とは、みんなに大きな声で呼びかけることではなく、来てほしい人に「これは私のことだ」と思ってもらうことが重要です。

 広告をつくる前に、「誰にきてほしいのか?」を社内で話してみてください。それだけでも、広告に載せる言葉は大きく変わってくると思います。


<プロフィール>
山本啓一

(やまもと・けいいち)
1973年生まれ。大学に5年在学し中退。フリーターを1年経験後、福岡で2年ほど芸人生活を送る。漫才・コントを学び舞台や数回テレビに出るがまったく売れずに引退。27歳で初就職し、過酷な飛び込み営業を経験。努力の末、入社3年後には社内トップとなる売上高1億円を達成。2004年、31歳でエンドライン(株)を創業。わずか2年半で年商1億2,000万円の会社に成長させる。「エッジの効いたアナログ販促」と「成果が見えるメディアサービス」でリアル店舗をモリアゲる「モリアゲアドバイザー」として、福岡を中心として全国にサービス展開中。

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