2024年04月26日( 金 )

日銀支店長会議始まる~九州地銀の株価は

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 日銀は7日、新年度の支店長会議を開催した。全国32の支店の支店長らが出席する会議の冒頭、黒田総裁は「新興国経済の減速により輸出や生産面に影響はあるものの、基調としては緩やかな回復を続けている」と語り、最近の円高傾向に対しては、「リスク要因を点検したうえで、必要な場合には『量・質・金利』の3つの次元で追加的な金融緩和措置を講じる」と、景気対策に積極的に取り組んでいく姿勢を示した。

地域からみた景気情勢

 各地の景気情勢を前回(16年1月)と比較すると、東北から、生産面で弱含んだ状態が続いているとして判断を引き下げる報告があった一方で、残り8地域では、景気の改善度合いに関する判断に変化はないとしている。

 各地域からの報告をみると、東海で、「基調としては緩やかに拡大している」としており、残り8地域で、「基調としては緩やかな回復を続けている」、「緩やかに回復している」、「回復を続けている」等としている。この背景としては、新興国経済の減速に伴う影響などから輸出や生産面に鈍さがみられるものの、国内需要は、設備投資が緩やかな増加基調にあり、個人消費も雇用・所得環境の着実な改善を背景に底堅く推移していることなどが挙げられている。

日銀の(地域経済報告 ―さくらレポート― (2016年4月)より抜粋

 黒田総裁の発言を受けて、7日の日経平均株価は、3月29日から7営業日連続でマイナスとなっていたが、8営業日ぶりにプラス(+34.48円)に転じた。終値は1万5749円84銭。

 日経平均株価はプラスに転じたものの、九州地銀7行の株価(東証上場)は、別表の通り、まちまちの動きとなった。

 この中で目立つのはふくおかFGの終値。3日連続の下げが続き、337円(前日比▲1)と年初来の安値を更新中。また西日本シティ銀行も184円((前日比▲1))とふくおかFGと同様、三日連続の下げとなっており、日銀のマイナス金利導入は地銀大手行を直撃した格好だ。

 九州地銀の株価は、黒田総裁の「必要な場合には『量・質』に『マイナス金利』という3つの次元で、追加的な金融緩和措置を講じる」との発言を受けて、目が離せない状況が今後も続くことになりそうだ。

日銀支店長会議始まる 表1、2

【北山 譲】

 

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