2024年04月17日( 水 )

【九州地銀再編】佐賀銀行のジレンマ

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office2 九州地銀18行のなかで金融再編が進む今、3グループのどれにくっ付くかで悩んでいる地銀関係者は多いことだろう。福岡銀行、熊本銀行、親和銀行、そして2017年4月をメドに十八銀行が加わるふくおかフィナンシャルグループ(FG)。西日本シティ銀行、長崎銀行、そして提携行の豊和銀行からなる西日本シティG。3つ目が、肥後銀行と鹿児島銀行が合併してできた九州FGだ。なお、西日本シティ銀行は今年10月に持ち株会社の西日本フィナンシャルホールディングス(西日本FH)の設立を予定している。

 「合併に要するエネルギーはとてつもない。九州FGは少なくとも10年くらいは、次の合併という風にはいかないだろう」と地銀OB。残された地銀の選択肢は、ふくおかFGか西日本シティGだという。しかし、銀行によって事情も異なるため、物事は単純には進まない。たとえば福岡県内に38の店舗がある佐賀銀行は、大きなジレンマを抱えているのではないだろうか。もし、佐賀銀行が、ふくおかFGか西日本シティGに入れば、店舗統合で福岡県内の店舗をムダにする可能性がある。同時に行員の削減も避けられない。

 再編の波に乗り遅れるわけにもいかない。16年3月期において佐賀銀行は九州地銀18行中、貸出金残高で第9位の1兆4,143億円。しかし、当期純利益では、貸出金残高第13位4,678億円の宮崎太陽銀行に追い越されている(宮崎太陽46.9億円>佐賀32.4億円)。苦悩の末の決断が注目される。

【山下 康太】

 

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