2024年05月06日( 月 )

『ぐっちーさん』が福岡で講演~地方にチャンスが落ちている!

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講演するぐっちーさん<

講演するぐっちーさん

 7月21日、福岡市内のホテルで日本公庫中小企業福岡講話会の勉強会が行われ、講師に投資銀行家の“ぐっちーさん”こと山口正洋氏が登壇。「ニッポン経済『世界最強論』~日本の成長は地方から~」というテーマで講演を行った。山口氏は、アメリカの投資銀行員時代の2005年頃、証券化商品の破たんに伴う金融危機を予測して、危険性の高いこれらの商品の販売を中止したことにより、銀行を辞めた経験を持つ。しかし、その予測がその後の2008年9月のリーマンショックにつながった。それを予見した数少ない日本人のエコノミストとして知られている。

 講演では、IT化が進むことでビジネスの垣根がなくなったことに触れ、山口氏自身がノートパソコンを片手に日本とアメリカを行き来するビジネススタイルを紹介。アメリカ経済から見た日本経済の現状を分析し、世界のトレンドが(1)「脱炭素(石油)」、(2)「ハンドメイド(大量生産をやめる)」というなかで、日本経済も大量消費から希少高価な商品を求める時代へと変わりつつある。また、首都・東京に目をやると、生活費及び家賃高などにより、生活が疲弊している。そのため生活コストが安い、地方にチャンスがあることを力説した。

yamaguti2 実例として、北九州のあるビルでは空き室だらけのビルが、24歳の将来有望なデザイナーが入居することで、全国各地からクリエーターらが続々と集結し、34部屋が全部埋まるといった現象を挙げた。ITが進化することで地方都市のハンディがなくなり、視点を変えることで、地方でもチャンスが無限に転がっていることも指摘。そして、その主役は大企業ではなく、地方の中小企業経営者が担えると熱弁した。

 山口氏は1960年東京生まれ。慶応義塾大学経済学部を卒業後、丸紅に入社。モルガン・スタンレーなどを経て独立。現役の投資銀行家として活躍する一方で、東日本大震災の被災地の岩手県紫波町では地方再生プロジェクトにも参画し、実務にも詳しい。ビジネスの傍らで「ぐっちーさん」のペンネームでブログ、有料メルマガなどを配信している。なお、「ニッポン経済世界最強論!」(東邦出版)、「日本経済ここだけの話」(朝日新聞出版)などの著書を多数手掛けている。

【矢野 寛之】

 

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