2024年04月29日( 月 )

切磋琢磨する人間力育成方法とは(前)

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英進館

積み上げてきた圧倒的な合格実績

筒井 俊英 代表<

筒井 俊英 代表

 「自立した社会人の育成」を理念に掲げる英進館は、少子高齢化が続く環境下で在籍生徒数を伸ばし、業績も右肩上がりで推移している。2016年の合格実績は全国最難関と言われる灘高校の合格者数は3年連続で日本一を誇り、久留米大学附設中・高校、ラ・サール中・高校へも多数の合格者を送り出した。

 当然、トップ校へ合格するために英進館へ通う生徒も多いが、入塾当時は約7割の生徒が偏差値50未満だという。同社によれば、「入塾当初は思いもしなかった学校へ合格を果たしていきます。生徒たちの努力の結晶である合格実績こそ、英進館の誇りです」と話す。ではなぜ、英進館は圧倒的な合格実績を築くことができるのだろうか。その実態を探ってみた。

 圧倒的な合格実績を築くためには、優秀な教師が必要だ。英進館では年に2回、科目テストを必ず全教師が受ける。テスト結果は各科目1位から最下位まで社内のイントラネット上ですべて公開され、教師たちは1位を目指し必死に勉強するという。これにより各科目の専門知識力の向上、ひいては授業力・指導力のアップにつながるのだ。

 その風土を築いたのは筒井俊英社長だ。自らも受験し、上位の成績を残すことで、教師たちのやる気を引き出し、お互いが切磋琢磨する環境をつくり上げた。同社の品質管理はこれだけに留まらない。事前の原因づくりから即実行、そして反省、即改善という流れを全職員が常に意識し、保護者と生徒のニーズに応えるため、同社では年に5回ものアンケートを実施しているのだ。

 生徒および保護者全員に「わかりやすい・わかりにくい」などのマークシート式アンケートだけでなく「子どもの様子」や「不満」「要望」などについて記述式アンケートを行うことで、これをカリキュラムや事業計画に落とし込み、さらなる改善を図っているのだ。

長所に日を当てる膨大な評価項目

kyousi これらのアンケートは教師だけでなく、事務職などの従業員評価にも反映させている。さらに、教場・クラスの成績アップや生徒数増加、合格率アップなど数多くの評価項目があり、500名を超える全従業員の約半数が表彰の対象になっているという。筒井社長は「厳しいだけではなく、懐深く指導するようにしています。授業は非常にうまいのですが、管理能力は多少劣るといった教師をはじめ、すべての面でパーフェクトな人材は少ないのです」と話す。これは、その人の美点に日を当てたいという従業員教育の考えが表れた言葉だろう。筒井社長は自ら教壇に立つだけでなく、教場入り口での生徒の出迎えなど積極的に現場に出ることで自社の状況や課題を見つけ、改善を繰り返してきた。人事評価も現場を知っているからこそ、つくり上げることができたのだ。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:筒井 俊英
所在地:福岡市中央区今泉1-11-12 英進館総本部ビル
設 立:1986年12月
資本金:1億円
売上高:(16/3)108億円
TEL:092-715-7788(代)
URL:http://www.eishinkan.net/

 

 
(後)

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