2024年03月29日( 金 )

前代未聞!大分県の公営施設「カウベルランドくす」乗っ取られる

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 住民が気軽に利用できるはずの公営レジャー施設で信じられないことが起こっている。大分県玖珠町にあるレジャー施設「カウベルランドくす」が私企業に占拠される事件が発生。同施設は1996年に公金を投じて、山野を切り開き、開業したレジャー施設。大分道天瀬高塚IC近くの山間に位置し、牧場、レストラン、コテージが完備された大自然を満喫できる住民憩いの場だ。

 「占拠・乗っ取り」と表現するのは、写真の通り。これは休園中でもなく、工事中でもない。まぎれもなく営業中なのである。入園ゲートの内側に、大型トラックが駐車されており、完全に入園をシャットアウトしている。入園、および施設の営業を妨害している大型トラックは、自動車運送業の(株)田和通商(本社:佐賀県西松浦郡、田中篤代表)所有。

 困り果てているのは、事実上、営業不可能な同施設の指定管理業者。開業から20年。周辺地域の過疎化の影響もあり、入園者は減少傾向に。経営の立て直しのために、昨年12月に一時休園し、今年3月よりグランドオープンを予定していた。この状況下で、3月に予約の入っていた修学旅行客300名分はキャンセルとなり、損害も発生している。

 町営施設が私企業に乗っ取られるという前代未聞の事件だが、所有者・運営者であるはずの玖珠町役場の対応は鈍い。トラック出現から、すでに1週間以上、町役場は腫れモノに触りたくないかのように、完全放棄。乗っ取りを許しているのが現状だ。

 関係者の取材により見えてきたのは、町役場のこれまでのずさんで、不可解な行政手続きとそれに付け込む運送会社の思惑だった。次項より、事件発生の背景と、田和通商の妨害行為の違法性を詳報していく。

【東城 洋平】

▼関連リンク
・カウベルランドくす~現在休園。2017年2月より営業再開予定です~

 

関連キーワード

関連記事