2024年05月01日( 水 )

水創り、人財創りを求め続ける

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ゼオライト(株)

水創りのエキスパートとして

 ゼオライト(株)は、我が国の水創りのリーディングカンパニーである。その代表格が、プラント事業だ。逆浸透膜(RO膜)の技術を駆使し、水処理技術を生かしたプラントを建設する事業である。同社は、過去30年間で600基を超える逆浸透膜(RO膜)の井戸浄水装置を導入させている。その結果、6万m3/日の従来の水道水に代わる水を稼働させ、平均100円/m3の節約が行われ、年間約20億円の経費節約という成果を上げている。現在は、全国の公共施設、商業施設、病院、ホテル、工場などジャンルを問わず1,000カ所以上で逆浸透膜(RO膜)の仕組みによる水の供給を行っており、国内トップレベルの実績を誇る。

 大規模なプラントのメンテナンス事業は、遠隔システムにて全国で約200カ所管理され、24時間365日年中無休で稼働する。中・小規模のプラントは、全国約1,000カ所のメンテナンスを行う。大規模のような自動監理ではないものの、24時間365日電話対応にて必要に応じてメンテナンスを行う。同社のメンテナンスは、すべて自社管理だ。この自社管理こそが同社の強みであり、高い信頼度の証である。

終わりなき水創り、人財創り

 同社は、1969年に河村恭輔氏が創業し、2004年8月に河村勝美社長が就任。16年8月に取締役副社長の嶋村謙志氏が3代目となる代表取締役社長に就任した。これまで二人三脚で経営マネジメントを行ってきた、河村恭輔氏は取締役名誉会長に、河村勝美氏は代表取締役会長に就任し、新たな体制で船出している。

 同社の新卒採用第1号で96年4月に入社した嶋村代表。嶋村代表は、恭輔名誉会長と勝美会長の猛烈な働きぶりを、そばで見てきた。その姿を手本に嶋村代表は、誠実で勤勉そして周囲の人々との調和をとり、あらゆる困難な仕事を成し遂げてきた。恭輔名誉会長、勝美会長、社内そして取引先から絶大な信頼がある。

 「嶋村は誠実かつ謙虚で、いつも笑顔です。その姿や立ち振る舞いが取引先そして同社社内での信頼をより厚くしております」(勝美会長)。

 すでに取り組んできている、組織強化に向けたさまざまな施策の強化が行われ、とくに経営管理面ではアメーバ経営の実践が奏功。事業の採算、効率性を重視した高利益体質へのシフトが進み、社員もコストへの意識、1人ひとりが自覚を持って業務にあたる風土が形成された。新たな体制での同社の進化が楽しみである。

 「水を通じて世の中のお役に立ち貢献する」「社員の物心両面の幸せの追求」という崇高な志の実現に向けて嶋村新体制のもと、恭輔名誉会長はさらなる技術開発、そして進化のためにより一層の研究を進めている。勝美会長は、嶋村代表を影で支えながら経営マネジメントに携わる。水創りと人財(ひと)創りに終わりはない。

幹部力をより高める

 2016年8月より嶋村社長の新体制によるマネジメントが始まって4カ月が経過している。同時に新役員および幹部が就任し、それぞれの職責を担っている。前述通り、社内外における評価は上々だ。それでも勝美会長は、より幹部力を高めることに挑んでいる。そこに現状に甘んじている姿勢は一切ない。嶋村社長と新たな役員・幹部は、代表・リーダーという会社のけん引する立場にあるというには、発展途上である。

 「嶋村と役員そして幹部は、常に真摯に取り組んでくれております。嶋村は、今期の売上高30億円を目標に掲げ、全社一丸で日々奮闘しております。一方で、部下や社員に指導させるべきところ、ついつい自身で仕事を片付けてしまう傾向にあります。リーダーが手本を見せることは大切ですが、すべてリーダーや幹部が行うと、部下や社員の育成につながりません」(勝美会長)と現体制の今について語る。

 勝美会長自身もまだ嶋村社長に、リーダーや経営についての心得を伝承し始めたところである。「現体制の経営マネジメントが充実し醸成されるまで、10年の年月は必要ですね。これからです」(勝美会長)と、以前の“家業”から真のカンパニーとしての転換期であり、今後進化・発展させて行くには、リーダー・幹部力を高めることが重要課題という。

仕事の原点に戻る

 恭輔名誉会長と勝美会長は、今後、全国の顧客の訪問を1社ずつ行う予定だ。

 先般、ある顧客からクレームが入った。長年同社と取引のある企業である。恭輔名誉会長、勝美会長、嶋村社長が訪問し問題解決に至った一方で、人財(ひと)創りは、まだ道半ばであることを痛感したという。

 「お客さまのプラント内の掃除が行き届いていなかったのです。メンテナンスに訪問した時は、浄化槽やタンクなどをきちんと拭いてきれいにする。そしてプラント内のスペースをほうきではいてきれいにすることは、普通にやります。残念ながらそれができていなかったのです」(勝美会長)とメンテナンスの現場の今について語る。

 すべてがこのようなケースではないが、まだまだ社の意向が伝わっていないことがわかったという。「メンテナンスの人財育成は、同社の生命線です。メンテナンス事業が同社の中核を担っていきます。だからこそ、社員1人ひとりに対して、仕事の基本を伝えていかねばなりません」(勝美会長)という。それは、言葉でなく行動で手本を示すことだ。恭輔名誉会長自ら雑巾を持って、浄水装置やタンクを磨き上げる。勝美会長と嶋村社長は、ほうきでプラント内を掃く。技術および開発力や商品力以前に、同社の仕事の基本を伝えていくことが、人財(ひと)創りのベースである。

 恭輔名誉会長と勝美会長が全国の顧客を訪問することは、トップ自らが仕事の原点に戻るアクションだ。

【河原 清明】

<COMPANY INFORMATION>
取締役名誉会長:河村 恭輔
代表取締役会長:河村 勝美
代表取締役社長:嶋村 謙志
所在地:福岡市博多区那珂5-1-11
設 立:1970年8月
資本金:9,000万円
TEL:092-441-0793
URL:http://www.zeolite.co.jp/

 

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