2022年01月21日( 金 )
by データ・マックス

アビスパ福岡、ウェリントン頼りから脱却できるか

ウェリントン頼りでいいのか

 1年でのJ1昇格を掲げたアビスパ福岡、2017年シーズンのここまでの戦いは、結果から見ればまずまず及第点というところだろうか。5月1日時点で5勝2敗3引分け、勝ち点18の5位。首位に立つ横浜FCが勝ち点20であることを考えると、プレーオフ進出の可能性は十二分だ。今年は強大な戦力を誇る名古屋グランパスがJ2落ちしてきており、自動昇格の資格を持つ1位、2位に食い込むのは至難の業。つかず離れずこれくらいの順位をキープし、上位チームが大崩れした間隙をついて順位を上げていく、いわばコバンザメ戦略が順当であろう。

 しかし順位表の上ならともかく、ピッチ上の戦いぶりに不満や不安を抱いているファンも多いのではないだろうか。そう、FWウェリントンへの過度の依存だ。
 1月8日に行われた今シーズンのキックオフ記者会見で、鈴木健仁強化部長は「ウェリントン頼りにならないように、攻撃陣を整備した」とコメントした。しかし実際は、ここまでほとんどの試合で「ウェリントンに合わせる」という戦術に終始しているように見える。実際問題、チームの全得点11点中5点がウェリントンで、他に2点以上挙げている選手はいない。確かにウェリントンはJ2ではずば抜けた身体能力と得点能力を持ち、1人で試合を左右できるレベルの存在だ。
 選手たちも、「とにかくウェリントンにボールを当てれば」という意識になっているのではないか。DF岩下敬輔やDF冨安健洋が鋭い出足で相手のボールを刈り取り、縦に速いボールを入れても、結局は中盤でボールを回した末にサイドバックのDF駒野友一やDF亀川諒史までボールを戻し、相手DFがペナルティエリア内に揃ったところでウェリントンめがけてクロス……といういつものパターンに落ち着いてしまう。

 鈴木強化部長が語った通り、確かにドリブルで仕掛けられる戦力は補強されている。とくにレンタルから復帰したFW石津大介、元日本代表のMF山瀬功治はサイドからの仕掛けで何度もチャンスを作り、クロスからのチャンスも演出している。だが両ウイングには、アタッキングサードでは縦への突破だけでなく、ペナルティエリア内へのドリブルやエリア外からのミドルシュートも試みてほしい。
 今のままでは、「アビスパが攻勢に出たらウェリントンから目を離さずに中央を固めろ」というディフェンス方針で対処できてしまう。プランB、プランCを用意してはじめて、強力な得点能力を持つウェリントンもより生きてくるというものだろう。
 光明もある。新加入のFWウィリアン・ポッピには、高い位置でボールを持たせると細かいタッチで相手DFをかわしてシュートまで持ち込む技術がある。またDFラインの裏への抜け出しもでき、中央で構えるウェリントンとはお互いの強みを生かせる関係だ。

ゴール前にドリブルで持ち込み、シュートを放つFW石津大介

果敢な突破から中央にボールを送るMF山瀬功治

 アビスパの攻撃陣は、個々の能力ではJ2でも上位なのは間違いない。その能力を十二分に生かすべく、あらゆるアプローチでゴールを狙い、攻撃力でJ2上位を目指してほしい。全42試合というJ2の長丁場はまだまだ始まったばかり。臨機応変に戦術を切り替えつつ、最後まで戦い抜いてほしい。

【深水 央】

 

関連キーワード

関連記事