2024年07月21日( 日 )

九州の百貨店の店舗別売上高ランキング(2016年度)

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増収は博多阪急と沖縄のリウボウの2店のみ

 百貨店市場の縮小に歯止めがかからない。2016年(暦年)の百貨店の売上高(既存店ベース)は5兆9,780億円で、1980年以来36年ぶりに6兆円を割り込んだ(日本百貨店協会調査)。地方の百貨店の経営は厳しさを増している。九州の百貨店の増収店舗は、博多阪急と沖縄のリウボウの2店舗にとどまった。

全国百貨店の増収店舗はわずか16店

 『日経MJ』がまとめた「2016年度の百貨店調査(店舗別売上高ランキング)」(8月16日付)によると、16 年度の百貨店の総売上高(調査対象は204店)は6兆786億円。2期が比較可能な既存店(同202店)の売上高は15年度比3.2%減。全体の9割を超える186店の売上高が15年度の実績を割り込んだ。増収だった店舗はわずか16店。九州の増収百貨店は博多阪急と沖縄のリウボウの2店のみ。

 売上高トップは三越伊勢丹・伊勢丹新宿本店の2,685億円(前年度比1.4%減)。09年度以来8年連続の首位。2位は阪急阪神百貨店・阪急うめだ本店の2,205億円(同1.0%増)。3位はそごう・西武・西武池袋本店の1,865億円(同1.8%減)。

 訪日外国人の定番コースである華の銀座に店舗を構える松屋銀座本店は7.7%減、三越銀座店は5.0%減。インバウンド(訪日客)需要に下支えされた両店舗の売上高はそろってマイナスとなった。

昨年開業した博多マルイの売上高は84億円

 日経MJに基づく九州の百貨店の売上高ランキングでは順位の入れ替わりが相次いだ。1位は岩田屋三越・岩田屋本店の735億円(同0.6%減)と変わらず。2位は前年7位のトキハ本店の605億円(同1.7%減)。前年まで、わさだタウン店、別府店を個別に開示していたが、これをトキハ本店に一本化したことによる。

 前年2位の鶴屋百貨店が571億円(同0.7%減)となり3位に後退。熊本大地震が業績に大きな影響を与えた。前年3位の博多大丸・福岡天神は539億円(同5.0%減)と減収で、4位にランクを下げた。
阪急阪神百貨店・博多阪急は444億円(1.4%増)と3年連続の増収。山形屋(432億円)を抜き7位となり、井筒屋本店(454億円)が射程距離に入った。9位の沖縄のリウボウは174億円(同1.9%増)。インバウンド需要が寄与し3年連続の増収だ。

 15年度は、中国、香港、台湾、韓国からの訪日客が大幅に増えた福岡市の4百貨店の売上高の伸び率は、東京23区に次いで高かった。だが、16年度は、博多阪急以外の3百貨店はそろって減収となった。
ランキングに昨年オープンした丸井・博多マルイが登場。売上高は84億円。隣接する博多阪急は増収なので、博多マルイは若者層を天神の3百貨店から奪った格好だ。

1m2売上高が平均を上回るのは岩田屋と山形屋

 百貨店がどれだけの競争力をもっているのか。売上高を比較するだけではわからない。小売りの業績の目安となる指標が、1m2あたりの売上高である。日本百貨店協会の資料によると、全国百貨店の1m2あたり売上高は、1991年(暦年)の192万円が最高だった。バブルの余韻に浸っていた時期だ。その後は右肩下がりを続け、16年(暦年)は101万円。10都市は138万円、10都市以外は65万円だ。

 日経MJの調査には、店舗別の売上高と店舗面積は載っているが、1m2あたり売上高の記載はない。そこで日経MJのデータをもとに、九州地区百貨店の1m2あたり売上高を算出した。その順位をまとめたのが下記の表だ。

 1m2あたり売上高の全国一は、伊勢丹新宿本店の407万円である。
 九州の百貨店の1m2あたり売上高のトップは、岩田屋本店の145万円。前年1位の鹿児島の山形屋は140万円で2位に後退。それでも全国の10都市以外の平均65万円を大きく上回り、効率経営を行なっていることがわかる。

 福岡市の百貨店のうち10都市平均の138万円を上まわるのは岩田屋本店のみ。10都市以外では、ほとんどの店舗が平均を上回っており、九州勢は善戦しているといえる。

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福岡の百貨店は、ソフトバンクホークスの優勝セールに期待

 2015年度でインバウンド特需は終わった。中国政府は「爆買い」による現金の流出を規制するため、16年4月から、海外で購入した商品を中国国内に持ち込む際の課税を強化する措置を実施した。品物によっては、最大で60%の税金が加算された。これで転売を目的とした「爆買い」が消えた。これが、大都市の百貨店が減収になった要因だ。

 とはいえ、訪日観光客は着実に増えている。インバウンド需要は高額品から手頃な化粧品や衣料品に広がり、売り上げが回復してきた。福岡市の百貨店は、「爆買い」特需が剥げ落ちた昨年4月以降、売り上げを落としたが、今年4月からは売り上げは回復傾向にある。

 福岡市の百貨店は、福岡ソフトバンクホークスに熱い視線を向けている。2015年、日本一になったとき、県内の経済効果は403億円と弾き出された(福岡県試算)。優勝セールによる百貨店などの増収分は245億円と算出した。今年は、2年ぶりの日本一に期待が高まっている。

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【森村 和男】

 

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