2022年07月02日( 土 )
by データ・マックス

クラフトビールを知ろう!瑠璃色の伝説 田沢湖ビール(1)

 1994年4月の酒税法改正により、ビールの酒類製造免許取得のために定められている年間最低製造量が2,000klから60klに引き下げられたことで全国各地に少量生産のビールメーカーが続々に誕生した。当時は全国に300社以上の地ビールメーカーがひしめき、第一次地ビールブームが巻き起こった。しかし、価格と品質が合わなかったことなどの要因もあり、数年で終息してしまった。

 月日は経ち、2011年ごろから地ビールはクラフトビールとなってブームは再燃。全国各地のイベントやコンビニ、通販などで親しまれ、多くのメディアに取り上げられるようになった。クラフトビールは業態としては直販、ブルワリー(製造所)に併設されたビアパブやレストランで飲食に供されることが多い。そのため、最大の需要地である関東、中部、近畿の3大都市圏に5割近くメーカーが集まっている。市場停滞期を生き抜いたメーカーは、それぞれが特徴あるビジネスモデルを確立している。

 「ターゲットを絞り込み市場を創出する」「物産展や百貨店の催事場での販売機会を増やす」「コスト度外視で品質向上に取り組む」「素材や製法にこだわり抜く」など、メーカーによってさまざまだ。そんななか、田沢湖ビールを製造・販売する(株)わらび座も、前述の第一次地ビールブーム時の1997年から事業を開始し、現在もこだわりをもってクラフトビールづくりを行っている。

 同社は、劇団「わらび座」としてスタートし、1953年から秋田県田沢湖町(現・仙北市)に本拠を置いて活動を開始。1974年に「わらび劇場」を建設後、温泉宿泊施設「温泉ゆぽぽ」や「たざわこ芸術村」を設立し、さまざまな文化活動を続けている。その一環として、地ビールも「新しい文化の創造」という視点から検討し、3年間の準備期間を経て、1997年秋田県第1号の地ビールとして「田沢湖ビール」を誕生させた。

 田沢湖ビールは、酵母を一切ろ過せずにつくった酵母が生きた生「Live」ビールとして人気を博している。仕込み水には、日本一のブナの巨木が育った“和賀山塊”の清冽な伏流水、モルトはドイツ産の上質なモルトや自社製造の秋田県産モルトを使用。また、ビールの醸造に不可欠なホップは世界最高品質の「ザーツザーツ」を使用することで上品な香りを演出。
 同社の田沢湖ビールは「素材や製法にこだわり抜く」というビジネスモデルと、わらび座という母体があったからこそ相応の知名度を有するようになったのだろう。次回は田沢湖ビールの魅力に迫る。

(つづく)
【藤谷 慎吾】

 
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