天安門事件後の分かれ道、ビジネスの勝ち組は中国残留組
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日本企業に勤める中国人男性Aさんが20代の時、民主化を求める学生運動を中国人民解放軍が武力弾圧した天安門事件(1989年6月)が起こった。すでにAさんは自国の企業に就職していたが、政治情勢に不安を覚えて、留学していた日本で勤め先を見つけ、生活拠点を移した。当時、海外に移る中国人は少なくなく、Aさんの高校の同級生30名強のうち10名がカナダやアメリカ、オーストラリアに移った。残った同級生は、自ら起業するか、政府機関や政府系企業に勤めたという。
今、Aさんは、「起業した同級生には、年収10億円台もいる。海外に移った私たちも相応の収入を得ているが、中国に残った人たちにはかなわない。今の政情であれば、海外で職を求める人はいないだろう」と振り返る。選択の契機となった天安門事件から、30年近くが経とうとしている。
【鹿島 譲二】
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