富士フイルム、米ゼロックス買収 ペーパーレス化待ったなし
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富士フイルムHDが米ゼロックスを買収する。富士フイルムHDが米ゼロックスの過半数の株式を取得し、現在の富士ゼロックスは米ゼロックスの100%子会社化する手法を取る。
これまでは富士ゼロックスがアジア・太平洋地域を、米ゼロックスが欧米やアフリカなどを商圏としてきた。成熟市場の欧米で業績が低迷し、時価総額が減少していた本家の米ゼロックスは、日本やアジアを商圏とする富士ゼロックスより厳しい環境に置かれていた。
富士フイルムHDは、グローバルな販売戦略で富士ゼロックス・米ゼロックス双方の強みを生かした成長戦略を描けるようになる。ただし、富士ゼロックスの現状は楽観できない。
2018年3月期のドキュメント(紙)事業の営業利益は8割減が見込まれる。中国やアジアを成長市場と捉えているが、こうした地域がかつての欧米や日本と同様のビジネス慣習を踏襲するかは不透明だ。富士フイルムHDはデジタルカメラの急速な普及で、ネガフィルムが市場から消えたことを体験している。従来のコピー機、複合機とは異なる付加価値や技術商品の開発が急務となる。
今回の統合と合わせて、富士ゼロックスは約4万7,000人の従業員のうち約1万人の削減を発表したが、買収する米ゼロックスの3万8,000人の処遇には触れていない。現状で富士ゼロックスの営業利益率は1.7%と高いものの、1人あたり売上高では米ゼロックスのほうが高いのが実情だ。合併の期限は20年3月までだが、同時にペーパーレス化への対応も求められる。
【鹿島 譲二】
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