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2018年02月08日 09:00

奇跡のJ1昇格 V・ファーレン長崎 高田明社長の目指すものは(2)

(株)V・ファーレン長崎 代表取締役社長 高田 明 氏

 Jリーグ・J2は毎シーズン有力チームが入れ替わり、当初有力視されていたチームが下位に沈み、ノーマークの弱小チームが躍進するドラマが繰り返されている。とくにJ1への昇格争いは、「まさか」の声が漏れるような快進撃や大逆転劇が相次ぐ、世界でも稀に見る過酷な戦い。2017年4月に高田明氏が代表に就任したV・ファーレン長崎の昇格劇は、そのなかでも白眉といえるだろう。立役者の1人である、高田明代表に話を聞いた。

J1での戦いで感動や喜びを発信したい

 ――そういう意味でも、18年シーズンは、非常に大切なシーズンになりますね。

練習場に掲げられたJ1昇格を祝う横断幕

 高田 本当に、そう思います。Jリーグのクラブ同士というのは、実は非常に仲がいいんですよ。同じサッカーをやる者同士、切磋琢磨して一緒に伸びていきましょうという文化がサッカーのなかにはある。そこに僕は非常に感激しました。試合は試合で勝敗はつきますが、業界を伸ばしていくという意味では同志であると。でも、J1に上がったら、先輩にあたるJ1クラブの皆さまが「J1は甘くないぞ、10−0でやっつけてやる」という愛のムチで向かってくるかもしれません。我々はそこをしっかり受け止めて、跳ね返すだけの準備をしていかなければいけない。それが県民の皆さまの期待に応えることですから。

 初めてのJ1には、ドキドキもありますが、ワクワクのほうが大きいという心境ですね。それくらい強い気持ちでいるくらいが、ちょうどいいのではないでしょうか。勝った負けただけではない、サッカーが生み出す感動や喜びをまた新しいステージで発信していかなければいけない。僕自身も、V・ファーレン長崎がそういう発信を続けていけるクラブにしていきたいと思っています。勝ち負けのなかに、最高の感動というものがありますよね、スポーツには。そういうものを発信し続けるためにはどうすればいいのかと考えると……やっぱりみんなで頑張るしかないのではないでしょうか(笑)。そういう感動を発信していきたいですね。

地元密着戦略は大きな課題

 ――Jリーグのクラブとして、地域への密着は大きな課題です。V・ファーレン長崎の場合は、長崎出身のDF徳永悠平選手(長崎県雲仙市出身、国見高校卒業。アテネ五輪出場、元日本代表。FC東京から移籍加入決定)を獲得しています。このように、長崎にゆかりがある選手を獲得するというのも有効な手段です。

 高田 選手の補強を主導する強化部は、常にさまざまな視点で選手をウォッチングしていますからね。15年、V・ファーレンには長崎県出身の選手が1人もいませんでした。たしか、当時Jリーグにはほかに同様のチームが3チームあったと思います。そもそも、長崎は静岡と並んでサッカー王国ですから、この話をすると「えっ?」と驚かれる方も多いですね。17年もFW吉岡雅和選手だけでした。長崎県民の皆さまにもっと燃えてもらうには、地元の選手が在籍していることも1つの要素だと思います。もちろんそれがすべてではありませんよ。でも3人や5人はいてもいいのではないかと思います。この戦略は追い追いやっていきますから、乞うご期待というところですかね(笑)。※取材後、長崎県諫早市出身、国見高校卒業のDF中村北斗選手がアビスパ福岡から移籍加入することが決定した。

 ――徳永選手の獲得は、これからのV・ファーレンの姿勢をはっきり示す移籍だったと思います。福岡の場合も、福岡出身でずっとアビスパに所属しているFW城後寿選手のように、クラブの象徴といえる選手がいます。

 高田 クラブを構成しているのは選手や監督ですが、その選手や監督をこれだけ暖かく支援してくださるファン、サポーターの存在は本当にありがたいなと思います。それをどうやってお返しするかというと、それはファンとしっかり向き合うことだと思うんですよ。サインや写真、握手を求められるということは、「あなたたちのことをこれだけ応援していますよ」という心の示し方なんですよ。それを受け入れていくマインドを、選手もスタッフももつことによって感動につながっていく。礼儀礼節を大事にするチームにしていくということは、日本のスポーツ界に求められていることだと思いますね。それができあがったときに初めて、サッカーは野球に並ぶ位置に立つことができるのではないでしょうか。

(つづく)
【深水 央】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:高田 明
所在地:長崎県諫早市多良見町化屋1808-1
設 立:2006年6月
資本金:3億4,000万円
売上高:(17/1)7億4,900万円

 
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