2024年05月03日( 金 )

元「鉄人」衣笠氏が斬る!~「何処まで行くか」

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「阪神、DeNA、巨人」

 2位に終わった阪神は今年も報道からすると「若手」に拘ったチームづくりを進めたいようだ。時期的にどうしても切り替えなければいけないところに来ているのだが、その割には仕事をしているのが、福留、糸井、鳥谷というベテランたちだ。ここに少し矛盾を感じているのだが、金本監督が若手に期待しているのは大いに感じる。

 その意味でいえば、このチームの成績を考えるとき、どうしても外国人選手の働きが大きく影響してしまう。まず、捕手でいえば梅野捕手を育てるために、もう少し矢野コーチとの時間を増やして、守りをもう少し厳しく教える必要があると思う。 

 見ているとどうも「打つ」事に拘っているように私には見えるのだが、やはり守りをしっかりさせる必要があるだろう。野球は「1点」失う度に負けに近づいているということを考えるべきだ。得点を挙げることばかりで考えていては長いペナントレースをモノにできないと思うが???。見ている人には受けるかもわからないけれども、まず守りからスタートしたい。

 1塁手には外国人選手を嵌めるのかな、大和選手が出ていった関係で2塁手には鳥谷選手をもってきたが、1年は長いので、サブプレーヤーの育成をしたいところでしょう。

 3塁に大山選手を使うプランには大賛成です。チームの顔として頑張れるだけの素材です。調子が云々考えずに1年間使い続けてもらいたいと思います。毎日試合に出ることにより体力もつくと思います。
遊撃には北条選手が定着すると思っていたのですが、なかなか期待どおりの成長を見せてくれないようです。ただ、センスはいいのでチャンスを与えたいと思いますが、ここも打つことも大切ですが、守備をしっかりとできる人を入れたいところだと思う。

 外野手に関しては福留、糸井の両ベテランと西岡を何とか使いたいのだが、内野手を守ると、最近どうも怪我が多いので外野に持っていくのはどうだろうか?

 問題は1年間投手がもつか?というところだと思う、先発でこの投手がコンディション良好だと相手チームはどうにもならないという投手がこのチームにはいる。メッセンジャー投手だ。この投手のいい日は、攻略するのは難しいだろう。ではメッセンジャーに続く投手は誰だろうか?粘って試合をつくることができる投手を見つけにくい。昨年は秋山投手が頑張ったが、ここに能見投手、本来ならばエースに成長していなければならない藤浪投手が足踏みをしているのが痛い。岩貞投手、岩崎投手などをどうやりくりするか?ということになるだろう。

 中継ぎも松田はボールが速いが、試合によって調子の波が大きい。高橋投手、藤川投手、マテオ投手と何とかできるだけの人数はいる。また、ここ一番で頼りになるドリス投手の今年の調子はどうだろうか?144試合は長いだけにもう1人、2人、若手の成長が待ちどおしいところだろう。

 ペナントレースでは3位に終わったが、CSで勢いをつかみ日本シリーズに出場したDeNA、今年は二通りの見方ができる。「昨年の成績を超えなくては!」という感情が強く出て、自滅の道を進むか、冷静に自分たちの野球を信じ、足元を固めた野球を毎試合してくるか?1ついえるのは昨年の経験が大きくこのチームに影響を与えるということに間違いはないだろう。とくに連敗したときにその傾向を見ることができると思う。

 ただ投手陣は若く、力のある投手が多くいると思う。先発には今永投手、石田投手、濱口投手の左3枚は若く、勢いがあるだけに調子のいい日は力を発揮するが、少しコンディションの悪い時には脆さも見せるところがある。そこのところを井納投手、ウィーランド投手が埋めることができるか?というところだ。先発投手陣で勝ち試合には三上、山崎というリリーフで仕上げる、イニングにより砂田投手、田中投手。パットン投手というところを挟むという展開に今年もなるだろう。いずれにしても万全というところまではいってないということではないだろうか。

 打線に関しては抜群の破壊力をもっている。1番の桑原が昨年は出遅れたが、ラミレス監督はよく我慢して、持ち直す時間を与えた。それが本人にとって大きな自信になった事だろう。そこに今年はFAで大和選手を獲得、普通に考えると1、2番は昨年よりもかなり相手投手にとってやりにくいと見ている。
そして3番からロペス選手、筒香選手、昨年首位打者に輝いた宮崎選手、とくれば相手は投げるのに神経を使うだろう。捕手の戸柱捕手、嶺井捕手、高城捕手と3人体制で心配ないだろう。遊撃の倉本選手、右堅の梶谷選手が安定してくれるとすばらしい打線になる。ラミレス監督がどんな使い方をするかが見ものだ。

 問題の巨人軍、今年もキャンプに松井秀喜氏に声をかけて話題をつくろうとしているところを見るとチームプランの計算がどうも立っていないようだ。

 たしかにここ何年か難しいところに来ているが、「名門巨人軍」という名前が邪魔しているようで、動けないのかな?

 1番に固定して使える選手を決める、2番の適性を見定めて我慢して使う。ここからでしょう。少し使って成績が出ないと2軍では選手は育たないと思う。その前にしっかりと選手の本質を監督、コーチが見極めて「使う」というところが大切だと思う。1番に向いている選手、2番が合う選手、それぞれ相性があるだけに、そこを見抜いて使いたいと思う。

 3番から6番まではいかにして「点」を取るか?ここに注目して選手を選ぶ、幸いこのチームには捕手が決まっている。小林捕手が1年間使えるという恵まれたチームなので、彼をしっかりと使いこなす事で若い投手も育つだろう。

 先発陣はマイコラス投手がメジャー・リーグに帰ったためにこの枠に誰が入ってくれるか?安定していた投手だけに痛いと思う。まず、菅野投手、田口投手、昨年は問題を起こして戦力になれなかった山口投手、FAでの移籍の野上投手、吉川投手が立ち直るか?内海、大竹両ベテランがどこまで貢献できるか?先発陣はやり繰りの1年になるだろう。

 リリーフ陣を見るとマシソン投手、西村投手、田原投手、森福投手がいるがどうだろうか?マシソン投手には安定感があるが、抑えの澤村投手、カミネロ投手はどうか?未知数の投手が今年は多いというところではないだろうか。できるだけ先発投手が長いイニングを投げることが求められるのかな?オープン戦でどのような使い方をするのかをじっくりと見て考えたいと思う。この3チームのなかで一番若手が出てきて欲しいのが巨人軍だろう。

2018年2月27日
衣笠 祥雄

 

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