2024年04月19日( 金 )

中国経済新聞に学ぶ~「90後(1990年代生まれ)」はどんな世代ですか(前)

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 「90後」とは、中国における用語の1つで、1990年代生まれの世代を指す言葉。広義として1990年以降に生まれた中国国民を指す場合もある。
 「80後」からの派生語である。
 「90後」が生まれた時代は、すでに中国の改革開放政策の成果が現れ、情報化社会への急速な発展を遂げていた。従って、「90後」は情報化社会を何よりも先に体験した世代であるといえる。中国の計画出産政策の影響で、基本的に1人っ子であり、その意味では小皇帝ともいえる。時代の発展と変化により「90後」の思想や理念は一世代上の中国人たちとは大きく異なる。そのため「90後」について批判的なことをいう人も少なくはないが、「90後」の価値観も少しずつ受け入れられてきている。
 「90後」の生活の実態は、いったいどのようなものなのだろうか?このほど発表された「中国経済生活大調査報告」によると、一部のデータは、誰もがまったく予想しなかった結果となっていた。その詳細を一緒に見てみよう!

幸福感が最高だった世代は?

 同報告によると、幸福感が高い人の割合が最も高かった世代は、大学生および社会人になったばかりの「95後(1995年から1999年生まれ)」だった。学歴別に見ると、大学学部卒の人が最高だった。

現在の暮らしに対する幸福感は?

 また、幸福を感じる人の割合を職業別に見たところ、幸福感を感じる人の割合が高い職業は、企業管理職、政府機関や事業機関の職員、起業者だった。
 中国では古くから、「子どもが多ければ幸福も多い」と言われている。子だくさんの家庭は、はたして本当に幸福なのだろうか?
 しかし同報告の結果からは「真実はさにあらず」ということが明らかになっている。幸福感が比較的高い家庭は、「1人っ子」家庭で、「とても幸福」または「やや幸福」と笞えた人の割合は47%に達した。子どもが2人の家庭がこの後に続き、43%だった。「幸せではない」と答えた人のうち、子どもが3人の家庭の割合が最も高かった。しかし「とても幸福」と答えた人のなかでも3人の子どもがいる家庭の幸福感が最高だった。
 それでは、中国で最も幸福感が高い人は、いったいどのような人々なのだろう?同報告によると、「95後」で、大学学部卒の学歴の男性起業者の幸福感が最も高く、74%に達していた。

収入をめぐる大勝負、今回は「90後」の勝利!

 社会の担い手と誰もが認める「70後(1970年代生まれ)」と「80後(1980年代生まれ)」ではあるが、彼らの収入に対する自信は、「90後」の若者にはるかにおよばないことが、同報告から明らかになった。世代別に見ると、「90後」の収入に対する自信が最も高かった。
 「90後」は、業界に関わらず、いずれも収入に対する自信を抱いている。
 最も自信をもっている「90後」の若者の多くが従事している業界は、インターネット、漁業・牧畜、建築・不動産、通信業で、メディア、サービス、小売がそれに続いた。
 同報告によると、高所得者層の自信が最も高いわけではなかった。個人の年収が「8~12万元(約136~204万円)」「12~20万元」(約204~340万円)、「20~30万元」(約340~510万円)の3つの中間所得層は、収入に対する期待が比較的高く、「8~12万元」が59%、「12~20万元」が56%、「20~30万元」が58%だった。年収1万元以下の低所得層の期待も52%と、それほど低くなかった。

(つづく)


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