• このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年06月22日 15:48

新局面を迎えた中国の「一帯一路」経済圏構想(前編)

 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2018年6月22日付の記事を紹介する。


 今から5年前、ナザルバエフ大学にて習近平国家主席によって発表された中国の「一帯一路」経済圏構想が新たな局面を迎えている。去る5月の李克強首相の来日に際し、安倍首相は北海道まで同行した。その理由は、中国が朝鮮半島や北海道も「一帯一路」計画に組み込む方針を固めたからにほかならない。

 実は、世界の注目を集めている「一帯一路」構想はアジアとヨーロッパを結ぶ「現代版シルクロード」と呼ばれ、大きなビジネスチャンスを秘めているため、日本企業も参加の道を模索している。そのため、安倍首相は自ら李首相を案内しながら、中国の狙いを見極め、日中協力案件の可能性を探ろうとしたのである。

 構想の提案からわずか5年しか経っていないが、100カ国余りが参加あるいは支持を表明するほど浸透が加速している。というのも、世界のパワーバランスが大きく変貌を遂げる中、「世界の警察官」を豪語したアメリカが国際舞台から徐々に距離を置く一方、中国による国際的な影響力の拡大が目覚ましいからである。

 その象徴的な動きが「一帯一路計画」というわけだ。中国には「要想富、先修路」ということわざがある。「豊かになりたければ、先ず道路を整備せよ」という意味である。インフラ整備を通じて、自国内に限らず、世界に覇を唱えようとする「中国の夢」とも合致する。これまでのアメリカ主導の国際秩序やグローバルガバナンスのあり方を中国式に塗り替えようとする大胆な試みにほかならない。まさに、毛沢東、鄧小平と並び、習近平が中国の現代史の主役として君臨するための舞台装置である。

 その背景には1970年代までの貧しい国を改革開放政策によって、わずか30年でアメリカと肩を並べる世界第2の経済大国の座を射止めたという自信が感じられる。世界経済全体の15%を占め、その成長率への貢献度で測れば、世界最大の30%を超えるまでになった中国。いわば、世界経済は中国抜きには語れない時代になったといっても過言ではないだろう。

 何しろ、この「一帯一路」計画の沿線に位置する65カ国の人口は世界全体の60%を上回る。とはいえ、これら沿線国の経済規模は世界の30%ほど。この人口と経済規模の非対称性を解消することにも、習近平政権は欠かせない歴史的使命と意義を見出そうとしているようだ。
 
 そこで、習近平主席は2017年1月、スイスの国連ジュネーブ事務局を訪問した機会に「一帯一路は特色ある経済圏と新型国際関係の構築、新時代に相応しい公平で客観的なグローバルガバナンスの形成、さらには、中国が希求する人類運命共同体の構築へのプラットフォームにしたい」と語ったのである。しかも、その成功のカギを握るのは「国家間交流におけるパートナーシップの構築である」と声を大きくした。これこそ、習近平中国の新たな外交戦略の要となる発想といえるもの。

※続きは6月22日のメルマガ版「新局面を迎えた中国の『一帯一路』経済圏構想(前編)」で。


著者:浜田和幸
【Blog】http://ameblo.jp/hamada-kazuyuki
【Homepage】http://www.hamadakazuyuki.com
【Facebook】https://www.facebook.com/Dr.hamadakazuyuki
【Twitter】https://twitter.com/hamada_kazuyuki

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

人々の日々の生活を陰で支える都市インフラの担い手(前)

  松山建設 (株) 豊富な実績を有する総合建設業者  松山建設(株)は、1956年に現在の築上町で「小松組」として創業したのが始まり。62年には...

2019年01月17日 14:45
NEW!

ドラッグストア業界が挑む「食と健康」市場創造戦略~製配販連携で10兆円産業目指す(前)

   日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は、設立20周年記念事業の核事業として、「食と健康」による市場を創造し、10兆円産業を目指すことにした。目的を...

2019年01月17日 14:26
NEW!

映画『人生フルーツ ある建築家と雑木林のものがたり』を観て(前)

  大さんのシニアリポート第75回 ドキュメンタリー映画『人生フルーツ』(東海テレビ制作/監督・伏原健之)を観た。主人公の津端修一は建築家である。日本...

2019年01月17日 14:08
NEW!

トライアル、来期上期に九州で5店出店~ドミナント化進む

   トライアルカンパニーは来期(2020年3月期)上期に、九州で神埼千代田、大町(以上佐賀県)、敷戸(大分市)、山鹿(熊本県)の4店を出店する。3月上旬に計画して...

2019年01月17日 13:21
NEW!

まだ間に合う!賞金総額100万円 学生グループ限定HP制作コンテスト

  応募は1月31日まで  高校生や専門学生、大学生が運営する学生団体やサークルやイベント、部活動、研究室、ゼミなどのグループ活動に関するネット発信で賞金...

2019年01月17日 11:31
NEW!

『脊振の自然に魅せられて』初冠雪登山を楽しむ

   昨年の12月、ワンゲルの後輩や脊振の自然を愛する会のメンバーに声をかけ、忘年登山を行った。参加者は11名、ワンゲルの男女の学生から高齢者までを含む登山となった。...

2019年01月17日 11:12
NEW!

【流通ジャーナリスト西川立一のトレンドウォッチ】青果と加工食品の専門店の平均月商1,200万円~Una Casita(おなかすいた)が首都圏で拡大中

   「Una Casita(おなかすいた)」というちょっと変わった店名の青果と加工食品の専門店が、首都圏で人気を集めている。3年前に1号店を東京・下北沢にオープン、...

2019年01月17日 10:50
NEW!

米中貿易経済戦争の本質:5Gをめぐる主導権争い~HUAWEI(華為)に対する米国の対応から見える焦り(4)

  東洋学園大学教授 朱建榮 氏 中国の5Gに対する米国の狙撃作戦  米側は各国に対して、「HUAWEIは安全上問題がある」としてその採用を阻止し...

2019年01月17日 10:29
NEW!

まちかど風景 筑紫野市でコスモスの店舗建設中

   福岡県筑紫野市原田6丁目でドラッグコスモスの店舗が新築されている。場所はJR原田駅入口交差点そばで、マルキョウ原田店の真向かいで、かつてはミスタードーナツとダイ...

2019年01月17日 10:05
NEW!

農総研、JPと共同で鳥栖に物流拠点開設~物流効率化とコスト削減へ

  ※クリックで拡大  (株)農業総合研究所(本社:和歌山市黒田、及川智正社長)は11 日、日本郵便(株)九州支社と共同で、佐賀県鳥栖市に...

pagetop