2024年05月15日( 水 )

世界に広がる日本食ブームと健康長寿への処方箋(前編)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2018年7月13日付の記事を紹介する。


 日本では人口減少に歯止めがかからない。とはいえ、平均寿命は延びる一方で、「人生100年時代」は当たり前で、「120年時代」もありうる話となりつつある。実際、100歳以上の日本人の数は年々増え続け、間もなく10万人の大台に乗りそうだ。世界が羨む「長寿大国」といえるだろう。そんな中、寝たきりの長寿ではなく、元気ハツラツな長寿を実現するうえでの健康法が関心を呼んでいる。
 中でも、南雲吉則医師が提唱する「空腹健康法」は正に“逆転の発想”といえるかもしれない。同氏の近著「『空腹』が人を健康にする:1日1食で20歳若返る!」は驚異的な売り上げ記録を達成している。南雲医師は過去10年間、一貫して「1日1食」を実践してきているとのこと。自らの経験をもとに、「空腹」がもたらす健康上のメリットを明らかにしており、共感する読者の輪が広がりつつある。
 実は、アメリカでも発明王トーマス・エジソンの時代までは「1日2食」が当たり前だった。電気を使った調理器具を開発し、その普及を目論んだエジソンは、「1日3食運動」を提唱した。要するに、食事の回数が増えれば、調理用の家電製品の売り上げが伸びると判断したのであろう。宣伝を兼ねてアメリカ初の料理学校も設立したほどだ。
 そのおかげで、エジソンが発明したトースターや電気鍋は爆発的な売り上げを達成したのである。アメリカ人はもとより世界の人々の食事の回数を増やすことに成功したわけで、エジソンは「マーケティングの天才」とも呼ばれるようになった所以である。
 余談だが、発明王エジソンが最も重宝した料理人は仙台出身の日本人で、その名は佐藤綱治。もともと自動車王と呼ばれたヘンリー・フォードのお気に入りであったが、彼の料理の腕に魅了されたエジソンが無理やり口説いて自分のお抱え料理人として雇い入れたのであった。日本人シェフのつくる料理が発明王エジソンの創造的活動を支えていたわけだ。
人間が生きていく上では1日3食にこだわる必要はまったくない。日本も江戸時代までは1日2食が当たり前だった。そうした食習慣が大きく変わり、今では「体が必要としていない」にも係らず、「時間がきたからお昼にしよう」といった流れが世界的に定着している。

 その結果、世界的に肥満人口が増え、かえって寿命を縮めるケースが顕著になってきた。何しろ、世界の肥満人口は10億人を超えるといわれるほど。アメリカでも肥満は国民病とされ、1977年から、アメリカ議会上院の後押しもあり、食生活を改善し、病気を予防する研究が開始された。その結果、国民栄養問題特別委員会の報告書のなかで、「日本食イコール健康食」との認定が下されたのである。それ以降、和食に対する関心がアメリカでは一気に高まった。

※続きは7月13日のメルマガ版「世界に広がる日本食ブームと健康長寿への処方箋(前編)」で。


著者:浜田和幸
【Blog】http://ameblo.jp/hamada-kazuyuki
【Homepage】http://www.hamadakazuyuki.com
【Facebook】https://www.facebook.com/Dr.hamadakazuyuki
【Twitter】https://twitter.com/hamada_kazuyuki

関連記事