2022年06月27日( 月 )
by データ・マックス

伊都・六本松・箱崎で進むまちづくりの行く末は~「九州大学移転・跡地対策協議会」開催

 今年9月の人文社会科学系と農学系の移転完了にともない、西区の伊都キャンパスへの統合移転が完了する九州大学。すでに跡地再開発が進行している六本松キャンパス跡地や、現在、開発の真っ只中の伊都キャンパス、そして今後の再開発の動向が注目される箱崎キャンパス跡地など、それぞれの周辺まちづくりの現状や課題、これからの方向性についての「平成30年度 第1回 九州大学移転・跡地対策協議会」が1日、福岡市庁舎で開催された。

 協議会には、委員となっている市議会議員のほか、市の担当者、九州大学担当者などが出席。まず、伊都キャンパス周辺で進む九州大学学術研究都市づくりの現状や、九大統合移転事業の進捗状況、六本松および箱崎キャンパス跡地でのまちづくりについての説明が行われ、その後、出席した各委員から活発な質問や意見が投げかけられた。

 「箱崎キャンパス跡地のエリア外ではあるが、九大の三畏閣(さんいかく)跡地にマンションが開発されると聞かされ、地元住民は困惑している。九大側も『売却したら後は知らない』ではなく、地域住民との定期的な対話も含め、もっと周辺地域との調和を考えながら進めてほしい」(綿貫英彦市議)。
 「六本松キャンパス跡地再開発地に入る道路は1本で、周辺では慢性的な渋滞を引き起こしている。消防などの緊急車両をどうするかも含め、もっと安全・安心への配慮が必要だ。この観点は、箱崎キャンパス跡地での再開発の際にも、忘れずに配慮してほしい」(冨永正博市議)。
 「先日、糸島市がJR波多江駅から伊都キャンパスに向けて鉄道路線の延伸を検討しているというニュースがあった。やはり交通インフラの整備は、重要な課題。現状のJR九大学研都市駅からのバス輸送にもいずれ限界が来る。もっと中長期の視点での検討をお願いしたい」(笠康雄市議)。
 「福岡市にとって大学移転とは、重要なインフラにあたるのかどうか。箱崎キャンパス跡地は、『筥崎宮文化圏』に含まれており、単に大学の跡地を再開発するだけではない意味をもっている。以前、政府機能のバックアップ拠点を福岡市に、という意見もあったと思うが、そういった点も踏まえて、さらなる検討を進めていってほしい」(藤本顕憲市議)。

 九州大学の西区元岡・桑原地区への移転が決定したのは、1991年10月のこと。その後、2009年10月に六本松キャンパスからの移転が完了し、今年9月にはいよいよ箱崎キャンパスからも移転が完了する。その箱崎キャンパス跡地については、7月末に福岡市と九大とでグランドデザインが策定されたばかりで、今後、さらなる検討が行われながら、本格的な再開発に向けて進んでいく。約50haもの広大な敷地の動向について、今後、ますます注目が集まっていくことだろう。

【坂田 憲治】

関連記事