【平和への祈り】被爆73年、「原爆の日」迎える~広がる、核の脅威
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広島市中区の平和記念公園で午前8時から、平和記念式典が開かれた。
今年の「8.6」は、平成最後という節目の年。月日が経つにつれて、「あの日」の記憶が薄らぐのはしかたないのかもしれない。そして、平和とはそういうもの、という見方もあるだろう。
しかし昨年、広島市と呉市を舞台に戦時下の生活と原爆投下を描いた『この世界の片隅に』(監督:片渕須直)が結果的に大ヒットしたように、たとえば昨年、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を受賞したように、記憶は色あせるどころか、新たな意味付けのもとで拡散されているようにすら感じる。
こうした動きの背景には、今年の平和宣言で松井一實広島市長が指摘したように自国第一主義の台頭や核兵器の近代化に対する危機感があるのだろう。トランプ米大統領が進めているとされる、攻撃効果をあえて抑えた「使える核」の開発計画は、核の脅威が新たな時代に入ったことを想起させる。
結局、核兵器を大量に保有する国が、そのほかの国に対して「核兵器を持つな」と指導するという大きな矛盾を解消しない限り、核の拡がりを根本的に解決することはできない。核兵器をちらつかせた脅し合いによる平和がいかに脆いものか、73年目の原爆の日はその悲しい現実を確認する日ともなった。
さらに日本においては、平和に対する最大の脅威が「内閣総理大臣」であることは、何度も確認しておかなければならないだろう。
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